オレたち全社族!第2日「風が吹いている」の巻

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(第1日目レポートはこちら

昨日ぶりのご無沙汰です。コラムニストの籠信明(@cage_nob)です。

13日に開会式が行われ、14日に開幕を迎えた全国社会人サッカー選手権大会。通称「全社」は楽しんでいるよね?

北は北海道から南は沖縄まで、日本の各地域を代表するクラブチームが福井県に集まる夢の大会!

16試合の熱戦が繰り広げられた1日目に続き、今日も会場へと足を運んできましたよ!

注目のいわきFC対アミティエSC京都、VONDS市原対サウルコス福井の時間が13:30でかぶっていたため迷いました。

最終的には、まるおかスポーツランドでテゲバジャーロ宮崎対アルテリーヴォ和歌山→VONDS市原対サウルコス福井を観戦することに!

(※まるおかスポーツランドには地元小学生による手書きのノボリ、さらに花壇にもメッセージが。暖かさを感じる歓迎ですね)

【次ページ】ヒーロー、出た

「今日もここからヒーローが出るよ!」

予報とは違い、14日の天気は大きく崩れることはなかった。

しかしこの日は一転、朝からポツポツと断続的に弱い雨が降る天候。それ以上に大きかったのが風である。

まるおかスポーツランドでもメインスタンドから見て左から右に強い風が吹き、プレーに大きく影響を与えるだけのものだった。

「ここでこれだけ吹くのだから、海沿いのテクノポートと三国ではどれだけ強いのだろうか…」と感じたほどである。

座った場所の目の前にはアルテリーヴォ和歌山のベンチ。開始前の準備をするチームからは『今日もここからヒーローが出るよ!』という声が出る!いい言葉だなー…近いうちにパクろう。

視察に来たサウルコスの選手が周りに座るなか、試合はキックオフを迎える。

RCランスを思い出すトランペット応援、そして風上のポジションに後押しされる和歌山が序盤から優勢に進めていく展開。

そして20分、それが生きる形で長いボールが抜けたところから先制点が生まれる。裏のスペースに澤野康介選手が飛び出し、ネットを揺らす!

1-0でハーフタイムに入ったところで、筆者は昨日食べ損ねた「まかない」を勝ち取るため売店へ!しかしそこには長大(というほどでもないけど)の列が!なんとか手にすることが出来たが…。

帰ったら1-1になってた…風上に移った宮崎が同点ゴールを決めていた!流れが悪いな!オレの流れが!

風下になった和歌山は、プレスがかかればチャンスになるが、そこを外されるとギャップを狙われてしまうという内容。

とはいえ、宮崎は風上であることを活かしているかといえばそうでもなく、どう転ぶかわからない状況だった。

そこでチャンスを掴んだのは、和歌山だった!後半29分、コーナーキックか西村勇太が滑り込みながら押し込んだ!

そして試合はこのまま1-2で終了。和歌山が終盤に勝負強くセットプレーをものにしたといえるだろう。ヒーロー、出たね!

余談だがこの試合のアナウンスは消え入るような福井弁の女子。発見でした。そういえばスタジアムDJって、標準語である必要ないよね!これは新しい…。

【次ページ】「風が吹いている」

「風が吹いている、ここで生きている」

そして、第2試合目はついに来た!VONDS市原とサウルコス福井の大一番である。優勝候補同士の2回戦である。

まるおかスポーツランドとはそんなに好相性ではないサウルコス。多忙店長さん(@dreamtoj20XX)によれば、アウェイ側には魔除けの札が貼ってあったという…。

ついでにサウルコスは2013年に3回戦まで進んだのを最後に、3年間2回戦を突破したことがない。地元で乗り越えるべき大きなハードルだ。

その試合で、サウルコスは前半に風上のポジションを獲得。トップの右を務めた山田勇太選手がサイドバックの裏を執拗に狙ったことが功を奏した。

市原はこれによって左にポジションを取るレナチーニョが孤立し、最終ラインも下がっていた。福井はそのアドバンテージを生かし、攻め込んでいく。

11分には山田勇太選手が先制点を決め、さらに21分には松本翔選手が「サッカー人生最高のフリーキック」と言うほどの鮮烈弾!

40分にもエース松尾篤選手が得点を追加し、スコアは前半のうちに0-3に。

これは勝てるかもしれない…福井サポのほとんどが思っていたに違いない。いや、というより僕がそう思っていた。今考えれば甘かったな…。

【次ページ】魔法がかけられた

「ゼムノビッチ・マジック」

後半、風上に立ったVONDS市原はチームが一変した。福井は守りに入ってくるだろう、それなら十分やれる…という意図が感じられた。

サイドを先に仕掛けていくことで、福井のウイングバックを押し下げて5バック状態にし、ボランチを外に引き出す。

そこから中に入れることでバイタルエリアにフリーの選手を作り、そこからゴールを狙う。さらにプレスをかけて高い位置からショートカウンター。

47分には二瓶翼選手の強烈なミドルシュートが決まってスコアは1-3に。

さらにその後、市原は交代で最も上手さがあるレナチーニョをトップ下に配置転換させる。結果として彼が何度もフリーで決定的チャンスを迎える展開に。

そして55分には裏に抜けた二瓶翼選手が今日2点目を奪い、62分にもレナチーニョのフリーキックからのこぼれ球を峯勇斗選手が詰める!これで3-3と試合は振り出しに戻された。

対する福井は途中交代で前線がワントップになっており、サイドの奥に持っていた優位性はすでに手放していた。

これはもうPK戦に持ち込むしかない!そう筆者が思っていた76分だった。レナチーニョのフリーキックからニアでヘッド、クロスバーに弾かれて混戦になり、ボールは峯勇斗選手の元に…。

ネットが揺れて、スコアは4-3。福井はDFを上げてパワープレーを狙うも…最後まで取り返せず。

3点ビハインドからの4得点。市原にとっては今後ずっと語り継がれるような大逆転勝利になったといえる。

常にボールを持ってプレーできる環境で戦ってきたチームは、なかなか受け身の展開に慣れることが出来ないものだと言われる。

今回の大会では沖縄SVがそうだったと言われているが、サウルコス福井も数年前はそのようなケースがあった。

そして、このような「対症療法」も同じだと思う。前半に先制されて、追いつかなければならない。そんなシチュエーションを多く経験しなければ、なかなか簡単には出来ない。

本当に経験豊かなゼムノビッチ監督、そして関東1部で3年間優勝できなかったVONDS。その点でサウルコス福井を上回っていたのかもしれない。

逆にいえば、サウルコス福井はこれ以上ない経験をしたのだと思う。北信越リーグではなかなか得られない経験を。

これを来月の地決につなげてほしい。筆者の願いはそれだけである。前を向こうぜ!

あ、16日は11:00に三国陸上競技場→13:30にまるおかスポーツランドと行きます。アミティエとアルティスタを応援します、和服着てるチビが僕です!

アミティエ応援歌は出るか?

筆者名:籠信明

福井県と京都府を本拠地として活動。フランス、ポルトガル、アジア、アフリカなどのサッカーが得意分野で、海外ではPSGとヴィトーリア・ギマランエスのファン。「なぜか喋れるライター」として最近バニーズ京都SCのスタジアムDJ、日本代表パブリックビューイングのゲストコメンテーターなども務めている。『ハリルホジッチ思考―成功をもたらす指揮官の流儀』共著。

Twitter: @cage_nob