池田勇太を追いつめた新星・金谷拓実(撮影:鈴木祥)

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<日本オープンゴルフ選手権 最終日◇15日◇岐阜関カントリー倶楽部 東コース(7,180ヤード・パー70>
自分のプレーを貫いて賞金王を追い詰めた。国内男子メジャー「日本オープン」の最終日、池田勇太とともに最終組に入ったのが東北福祉大1年の19歳・金谷拓実。池田がスコアを崩す中、4バーディ・2ボギーの“68”で回り、昨年の賞金王を相手に堂々のゴルフを展開。トータル7アンダーで優勝には1打及ばなかったが、松山英樹の3位タイ(2010年大会)でのローアマを上回り、第1回大会で赤星六郎が優勝したアマチュア最高順位に次ぐ単独2位でローアマを獲得した。
同門の大先輩のように…金谷拓実も世界へ羽ばたく?
「スタート時は5打差ついていたので、優勝は意識せずに自分のプレーをしようと心がけていました」。勝利すれば、89年ぶりに大会史上最年少優勝の記録を塗り替える歴史的な優勝のチャンスでもあったが、金谷は冷静だった。首位を快走していた池田が前半1つスコアを落としたのに対して、金谷は3つスコアを伸ばす。首位・池田との差を1打に縮め、サンデーバックナインを迎えた。1オン可能な11番(パー4)では、ドライバーで1オンに成功してバーディを奪った池田に対して、金谷は「ドライバーで打っても届かないので」とアイアンでのティショットを選択。2メートルのバーディパットは決められなかったが、普段通りのスタイルを貫いた結果だった。
14番を終えて池田のリードは3打に広がったが、15番(パー5)で池田がティショットをOBでボギーにすると、「最後まであきらめないでやろう」と心に決めていた金谷はバーディ。「1打差になって、優勝のチャンスがある」と思ったところで16番(パー4)は1メートルのパーパットを外し、17番(パー4)は2・5メートルのバーディチャンスも逃し、池田をとらえられなかった。「16番、17番のパットミスは悔いが残ります」と、今後の課題に挙げた。
それでも1打ビハインドで迎えた18番は、473ヤードと距離のあるパー4。優勝のチャンスを残していたが、金谷は左サイドにあるフェアウェイバンカーを避けるために、3番ウッドでティショットを打った。「2日目は雨だったのでドライバーで打ちましたけど、18番は3番ウッドで打つことを決めていました」と、最後まで自分らしいゴルフを貫いて単独2位の座を守った。
2年前の日本オープンでは、3日目に最終組で回るなど11位タイで最年少ローアマ(17歳148日)を獲得。高校3年時だった昨年、卒業後にプロ転向も考えたが、東北福祉大学に進学。トップアマの集まる大学で切磋琢磨して、20ヤード飛距離が伸びるなど「自分が成長を感じている」と2年前よりもたくましい姿を見せた。「緊張はしましたけど、(レギュラーツアーは)初めてのトップ10に入ったので自信になります。2年前よりも悔しい気持ちは大きいです」。自分らしさを貫ける金谷。この悔しさを糧にさらに強くなる。
<ゴルフ情報ALBA.Net>

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