大井(左)は、集中力の高い盤石のパフォーマンス。リベロの位置からチームを統率した。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1リーグ29節]清水0-3磐田/10月14日/アイスタ
 
 その存在は、やはり際立っていた。
 
 怪我から復帰し、3試合ぶりに出場した大井健太郎は、3バックの中央に君臨。エアバトル、カバーリングで凄みを見せ、90分を通して大声で指示を送り続けた。
 
「先制するまでは我慢の展開でしたが、慌てることなくディフェンスできた。良い守備からカウンターに持ち込めましたし、アダ(イウトン)がとてもキレていたので、彼を活かそうと」
 
 序盤は清水が攻勢を強めていたが、その展開は織り込み済み。清水陣内に生じたスペースをカウンターで突いていく。狙い通りの形から先制すると、ポゼッションで相手をいなしつつ、追加点を重ねる老獪さを見せた。
 
 チームとしての成熟度の高さを示す勝利は、残り5試合に期待を抱かせる。3位の柏との勝点差は3で、ACL出場権獲得が十分に狙える位置にいるのだ。横浜・柏・鹿島という上位陣との対戦が控えるクライマックスに向け、「攻守でハッキリとプレーすることが大事。次の試合に向けて良い準備をし、90分間戦い続けるだけです」と語った背番号3。その言葉を体現する男の復帰ほど、頼もしいものはない。

取材・文:梶山大輔(サッカーダイジェスト編集部)