マンホールのフタを自在に操るアライグマの様子が動画投稿され、ユーモラスで可愛いと話題になっている。

Jタウンネットでは、飼育している長野市内の茶臼山動物園に話を聞いた。

フタまで閉める動画は、「いいね」が9万件も付く

「うわあ!」「何だよ」。飼育員がマンホールのフタを開けると、カールくんがぬーっと頭を出し、見学者らから歓声が上がる。カールくんは、そのまま岩場を下り、すぐに戻ってきたが、飼育員がフタを閉めてしまった。


アライグマのカールくん(以下、茶臼山動物園提供)

次の瞬間だ。

カールくんは、両手でフタを器用に回し、少し持ち上げると、すき間からするりとマンホール内に入り込む。続いて、しっぽも引っ込めると、しばらくしてフタが動いて完全に閉まった。見学者らは、「あっ」「閉まった......」とつぶやき、とても驚いた様子だった。

20秒ほどの動画は、2017年10月2日にツイッター上で投稿され、10日夕現在で9万件ほども「いいね」が付くほどの反響を集めている。

アライグマがマンホール内に入り込む動画は、過去にもいくつか別の投稿主がツイッター上にアップしている。それらを見ると、入り込むや一発でフタがしまってしまう大成功例や、うまくいかずに何度も出入りしてやり直すケースもあった。

兄弟のアライグマを見て、見よう見まねで始める

茶臼山動物園の副園長は10月6日、Jタウンネットの取材に対し、アライグマのカールくんは、マンホールの出入りが好きだった兄弟のイザベルちゃんが2016年3月に亡くなってから、見よう見まねで始めたと明かした。

「それまでは、木の陰に隠れたりして1日を過ごしていました。マンホールが空いたので寝床と決めたようで、朝、展示場に出すと、すぐにマンホールに入ってしまいます。1日中出てこないので、ちょっと困ってしまいますけど」

動物園では、「マンホールの中にいます!」との矢印付き看板を立て、カールくんが入り込んだときの写真を掲示して、入園者らに説明している。



ツイッター上の動画投稿は、「動物園裏側探検隊」といった不定期イベントのときに撮られたものではないかという。飼育員は、15時からの1時間の間にカールくんの様子を体調管理のため毎日チェックしており、そのときに当たれば見られるかもしれないそうだ。

マンホールは、寝床のためにあるわけではなく、中には作業用の排水バルブが設置されている。アライグマがマンホールに出入りすること自体は、非常に珍しいことだという。

なお、展示場にアライグマは2匹おり、アンナちゃんは木の穴の中にいて、こちらは時々穴から顔を出している。