幼少の頃から音楽を趣味としており、派遣前から、どうしても音楽と環境をコラボさせた活動を行いたいという思いがありました。なぜなら、私の中には「正しいより楽しい」という軸があるから。

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幼少の頃から音楽を趣味としており、派遣前から、どうしても音楽と環境をコラボさせた活動を行いたいという思いがありました。なぜなら、私の中には「正しいより楽しい」という軸があるから。環境問題は、政府やお金の問題が少なからずとも絡む、難しい問題です。それを正面から伝えても、うまく伝わらない、ならば楽しみながら学んでもらおうと理想を描いていました。

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そんな思いを抱いて赴任した北京。中国で最も古く、最も大きい環境保護NGOである「自然の友」に赴任した私は、既に豊富な日本の知識見聞に囲まれながら、ただの助っ人で2年間終えるのか…と、自分の存在価値を悩みつつも、音楽と環境問題のコラボができないかと考えながら、初めの1、2カ月を過ごしました。

そんな幸先の良くないスタートを切ったある日、隣の席の同僚から調べものを頼まれました。内容は、日本のマラソン大会における環境保護活動について教えて欲しいというものでした。同僚は昨年立ち上がったばかりの零廃棄賽事(ごみゼロ大会)チームのリーダーを務めており、スポーツ大会でのごみ分別やごみの削減に取り組んでいます。日本のマラソン大会を調べる中、ふと頭をよぎったのが「音楽イベントでも同様のことが出来ないだろうか」という発想でした。スポーツ大会における環境保護活動は、一般の講演会と異なり、環境問題に興味のない人にも発信できる良い機会です。そして、それは音楽でも同様のことが可能ですし、中国では未開拓の領域だったのです。

そこで、北京に来る前に受講した講演の講師にコンタクトをとることに。日本の音楽イベントをはじめとする多くの野外イベントで環境保護に取り組む団体の代表の方です。ご縁もあり、今年7月に新潟で開催された音楽イベントでボランティアをさせていただくことになり、中国人同僚2名を連れて参加してきました。2人とも日本に行くのは初めてとのこと。環境保護の取り組み方法はもちろん学ばせて頂きましたが、それ以上に日本人の働き方やボランティアの管理体制に感化されました。例えば、5分前集合について。中国にいると、日本よりも時間にルーズだなと思うことがあります。他にも、ボランティアへの平等な気配りやあらゆる準備が周到であること、仕事時間と自由時間の正確な境目の作り方など、我々が中国で同様のことを行うにあたり、必要な要素を中国人同僚も私自身も感じとり、実際その体験まで実現しました。配属先の長い歴史の中、日本の見聞を知っていたとはいえ、同僚が日本での活動の実体験に至ったことが、私の活動の機動力になったことは間違いありません。日本と中国の架け橋になるべく、大学の頃から中国語を勉強しておりましたが、確実にその夢に近づいたと実感しました。

日本での4日間のボランティア活動は、朝早く、雨も続く重労働でしたが、楽しく活動できたのは、流れてくる音楽や運営側の周到な気遣いがあったからだと思います。ごみ処理ステーションに立ち寄る観客も嫌な顔1つせず分別に協力してくれる、ボランティアも観客も楽しみながら環境問題について考え、環境保護に貢献できる活動でした。残された1年7カ月間の協力隊活動は、中国の音楽イベントにおいて環境保全の取り組みを実施することが目標となりました。その場にいる全員が、楽しく環境問題を考えるきっかけづくりを目指して、日々奮闘して参ります。(青年海外協力隊員 NGO「自然の友」 環境教育 秋吉楓・提供/人民網日本語版)