イラクの首都バグダッドの動物保護施設で保護された猫(2017年9月20日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】何年にもわたる流血の惨事と不安定な状況にあるイラクのほとんどの住民にとって、首都バグダッド(Baghdad)をさまよう野良犬や野良猫の保護など優先事項からは程遠い問題だ。

 同市内の通りなどをさまよう飼い主のない動物たちは大抵、虐待され、時には駆除の対象となる。だが最近、一部の動物愛護家らは、ソーシャルメディアを利用してそうした状況を変え、新たな飼い主を探す活動を開始した。

 バグダッドの飼い主のない動物たちの運命にいら立ちを募らせていた農業大学の学生アッサン・アタラ(Assan Attallah)さん(22)とその友人は3か月前、フェイスブック(Facebook)に「動物の里親探し」のページを開設した。

 アタラさんは動物保護施設で子犬たちと遊びながらAFPの取材に対し「私がこのプロジェクトを始めたのは、動物たちが虐待され、人間が動物たちを毒殺までしようとするのを目撃したからです」と語り、さらに「多くの人たちが高値でペットを購入しているのだから、ここにいるような動物たちを連れていってはどうでしょう。獣医師に診せ、きれいにして、引き取ってもらえるようにするんです」と話した。

 これまでアタラさんは、インターネットに動物の写真を投稿して、25匹の動物のもらい手を見つけた。だが多くの地元の人たちに、野良犬や猫などを気に掛けまたは世話をしてほしいと説得するのは大変な仕事だ。

 約10年前、バグダッドでは野良犬が多いという理由で、同市当局は自動ライフルで何千匹も駆除した。

 2003年の米国の侵攻以降40万人が死亡し、また2014年に始まったイスラム過激派組織「イスラム国(IS)」との戦闘で数百万人が家を追われた同国では、アタラさんの動物を助ける活動は理解されないことが多い。

 他人からは「なぜ動物なんか助けるんだ。動物は感情もないし理解もしない。そんなに重要なことじゃない。人々を助けることに集中するべきだ」と言われるとアタラさんは語った。
【翻訳編集】AFPBB News