Q:4カ月ほど前から右の脚の付け根のあたりに痛みが出るようになり、整形外科にかかったところ、変形性股関節症と診断されました。痛み止めを処方され、筋力トレーニングを勧められましたが、運動は苦手です。友人から“貧乏ゆすり”がよいと言われましたが本当でしょうか。
(56歳・土地家屋調査士)

 A:本当です。つい先日も医学雑誌に、貧乏ゆすりと変形性股関節症に関して、治癒経過のレントゲン写真付きで臨床報告が掲載されていました。
 それを見て、貧乏ゆすりは試してみるべきリハビリテーションであると確信しました。この療法は、柳川リハビリテーション病院の井上明生名誉院長が考案したものです。
 変形性股関節症は、足の付け根にある股関節の関節軟骨がすり減り、痛みが生じる病気です。貧乏ゆすりをすると、股関節がすり合わされます。井上院長の臨床研究によって、貧乏ゆすりで股関節がくり返しすり合わされることによって、傷ついた軟骨が修復されることが分かっています。

●傷ついた軟骨が修復される
 これまで、手術ではなく保存療法で関節症が改善したことをレントゲンで示したものは、世界的にもありません。このことからも、この療法のすばらしさが分かるでしょう。
 井上院長が指導している「貧乏ゆすり」の仕方を簡単に紹介しましょう。
 椅子に座りますが、床に付ける足の位置は、膝の角度が90度かそれ以下になるようにします。股関節周囲に力がかからないようにすることが大事です。他方の足のつま先を床につけたまま、かかとを小刻みに上下させ、貧乏ゆすりをします。基本的には、症状が出た足だけ行いますが、予防のために両方の足で行ってもかまいません。
 1日にどれくらい行えば軟骨が再生するかについては、まだ研究段階で、「貧乏ゆすりが癖になるまで」が1つの目標とのことです。
 2〜3カ月で軟骨に変化がみられ、半年程度で軟骨がきれいに再生する場合もあるようですが、1年、2年、3年とかかる場合もあるようです。
 ご質問の方はまだ50代ですし、早期の回復が期待できるのではないでしょうか。

牧典彦氏(小山病院院長)
自律神経免疫療法(刺絡)や加圧トレーニング、温熱療法、オゾン療法など保険診療の枠にとらわれずベストな治療を実践。