多くの人々は、会社や学校などの組織の中で生きています。組織の中で生きるということは、その枠組みを守って生きることとも言えますが、それでは新しい考え方を取り入れることは難しくなるのではないでしょうか。今回の無料メルマガ『人間をとことん考える(人間論)』では、著者で薬剤師の小原一将さんが「薬局の管理者」という自身の経験をもとに、会社の枠組みを守ることと壊すことについて持論を展開しています。

枠組みを守るか壊すか

会社は社長の器より大きくならないとも言える、と経営者の人が言っていた。これはつまり社長が自分の言う通りになると思う人だけを採用して近くに置くことによって、その社長より有能な人材が入ってこない。そのため社長が考えること以上のものが出来上がらなくなるということである。

私はこの考え方にとても納得した。もちろん社長より優秀な人を採用するという場合もあるだろうが、会社という枠組みのある組織では当然、その枠組みをはみ出すような人間は迷惑である。そういった人間を会社内に入らせないようにすることが正しい。

私は大学時代の頃、後輩がたくさんいたが積極的に関わろうとしていた。色々なことを教えて学んで成長してもらいたいと思っていた。それが素晴らしい考えであり絶対に自分は間違っていないと思い行動していたように覚えている。

そういった私の行動は正しい面もあるように思うが、今となっては間違いであることが多かったと考え直した。

私が作ったサークルであり、私の中で正しいと思う信念を皆に伝えようとしていた。しかしそれでは私の器以上のものは生まれない。私の器を超える人間は星の数ほどいるわけで、そういった人たちがそのサークルに入って楽しんでもらえなくなる。

卒業してしばらく経ってそう思うようになったので、社会人になり小さい薬局の管理者になった時はひとつだけ枠組みを作った。それは患者のためを思って行動すること。これを守っている限り何をしても何が起きても私が責任をとるとスタッフに伝えた。

これが正解かどうかは分からない。これですら枠組みを作っているとも言える。しかし責任者である以上、下の者が何かをしてしまったら責任をとる必要がある。どんなことでもどんな人にでも責任をとろうとは思えない。これが自分の中で最も広い枠組みであると思ったのだ。

育てるというプロセスの中で上述したような考え方も必要であるように思う。自分が経験したことや習得した知識を学んでもらい、成長してもらうということは悪くない。ただ、成長するに従ってその枠組みから抜け出そうとする人もいる。もしくは最初からその枠組みではおさまらない人もいるだろう。

そのような場合にどんな対応をするかということはどの組織のどの場面においても大きな問題となる。

最近、会社に属して組織で生きていくことについての話をよくしている。結果として私はそういった場所では生きづらいし、必要とされにくいのだろうなという結論に至っている。

不思議なもので大きな会社ほど小さな枠組みを好む。かといって小さな会社が大きな枠組みかというとそうでもない場合が多い。

もちろん会社という組織、そして人間の集合体である以上自分勝手にふるまう人間がいればだれもが迷惑するし、会社にとって利益にはならない。しかし最初に述べたように社長が枠組みを作ってしまえば、会社はそれ以上に成長しないだろう。

会社は成長させたいが、早過ぎず遅過ぎず今いる人たちが満足のできるスピードで行うことができて、会社の雰囲気を壊さないような上司の言うことを素直に聞くような人材を欲していますとホームページに明記してもらえれば分かりやすい。

新しい風を吹かせてほしいと言われ、突風で枠組みを壊そうとすると全員で壁を守ろうとする。成長したいしイノベーションも起こしたいが、自分たちが納得のいく範囲でというのは非常に難しい注文だ。

人はそもそも相手をコントロールしたいという願望が大きい生き物なのかもしれない。親は子どもを、先輩は後輩を、上司は部下を自分の枠組みの中にいてほしいと願っている。

 つくづく会社で生きていくのは難しいなと感じる。成果をあげることよりもルールを守った方が評価される世界はやりづらい。

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出典元:まぐまぐニュース!