「大丈夫?」そのひと言で女は嬉しい 男と女がすれ違うポイント

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吉元由美の『ひと・もの・こと』

作詞家でもあり、エッセイストでもある吉元由美さん。先生の日常に関わる『ひと・もの・こと』を徒然なるままに連載。

たまたま出会った人のちょっとした言動から親友のエピソード、取材などの途中で出会った気になる物から愛用品、そして日常話から気になる時事ニュースなど…様々な『ひと・もの・こと』に関するトピックを吉元流でお届けします。

「大丈夫?」そのひとことで女は嬉しい

数日前、不整脈なのか、それとも狭心症の症状なのか分からないのですが、胸がぎゅうっと締めつけられるような感じがしました。1、2分で収まったのですが、あらら、これはどうなっちゃうのかしら…とちょっと不安になったのです。その時席を外していた夫が戻ってきたので、このことを伝えるとひと言。

「いつか循環器科に診てもらったほうがいいね」

ん? そこか? 男性の読者には、きっと夫の言葉は「なるほど、その通り」と思われるかもしれません。

またある時、私は仕事のことで頭を抱えていて、夫に少し弱音を吐きました。

「それは、それだけ仕事ができたという証だよ」

そうさらりといわれて、私は何だか置き去りにされたような気になったのです。

男と女がすれ違う。お互いに理解不能になってしまうポイントはここにあります。「胸がぎゅうっとなった」といった時、かけるべき言葉は「大丈夫? いまはどんな感じ? 病院に行こうか」と、相手を労り、症状を聞くことではないか。もしかしたら死んでしまうかもしれないのですから、「いつか循環器科に診てもらったほうがいいね」ではない、「いま」なのです。

また、私が弱音を吐いた時に「仕事ができた証」と、励ましなのか喝なのか分かりませんが、そこで必要なのは、「大変だね。何かできることある?」といった、相手に寄り添う言葉なのです。

アドバイスを求められた時、まず受けとめること。共感すること。そこからアドバイスをしていく。最初に否定してしまうと、その先のアドバイスが相手に入っていかないのです。「なるほど、それはお困りですね」「そういうことはありますね。大変ですね」というひと言が、相手の心も、そしてアドバイスする人の心も開いていくのだと思います。

私にも経験があります。仕事に関することで、信頼していた経営者の友人に相談しました。その返信はアドバイスというよりも叱責でした。私自身を全否定されてしまったような、そんな気持ちになりました。

一度共感する。寄り添う。これは、コミュニケーションにとって大切なワンクッションです。夫に、「循環器科問題」について話をしました。まずかけるべき言葉は「大丈夫?」ではないのか、と。

「左脳じゃなくて、右脳を使うということか」

男の人は、面白すぎます。男性が女性の対応に頭を抱えることも多々あると思いますが、この答えまでもが左脳的でおかしくなりました。

男と女の脳の作りが違うのというのは多くの人が承知している通り。その違いを面白がって、なおかつコミュニケーションをまろやかにしていくためのワンクッションを。男性は受け止め、共感する。そして、女性も時には左脳で気持ちを伝えることも大切ですね。

和やかに、まろやかに、つながっていきたいものです。

作詞家・吉元由美の連載『ひと・もの・こと』バックナンバー

[文・構成/吉元由美]

吉元由美

作詞家、作家。作詞家生活30年で1000曲の詞を書く。これまでに杏里、田原俊彦、松田聖子、中山美穂、山本達彦、石丸幹二、加山雄三など多くのアーティストの作品を手掛ける。平原綾香の『Jupiter』はミリオンヒットとなる。現在は「魂が喜ぶように生きよう」をテーマに、「吉元由美のLIFE ARTIST ACADEMY」プロジェクトを発信。
⇒ 吉元由美オフィシャルサイト
⇒ 吉元由美Facebookページ
⇒ 単行本「大人の結婚」