わずかな隙も与えず、昌子は広島のアタッカー陣をシャットアウト。改めて国内トップクラスのCBであることを証明するパフォーマンスだった。写真:徳原隆元

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[J1リーグ29節]鹿島2-0広島/10月14日/カシマ
 
 10月10日に行なわれた日本対ハイチ戦で、ハリルジャパンはまさかの3失点を喫した。試合は3-3のドロー決着だったが、センターバックで先発フル出場した昌子源は、忸怩たる思いだったに違いない。ベンチを温めていたディフェンスリーダーの吉田麻也も、「3失点して、しょげない人はいないと思う」と、昌子のその胸中を察していた。
 
 ハイチ戦から4日後、鹿島の一員として広島戦のピッチに立った昌子のパフォーマンスは、ひと言で言えば「圧巻」だった。とりわけ敵の強力なブラジル人アタッカーと対峙した時の威圧感は言葉で言い尽くせないほどで、1対1ではほぼパーフェクトにストップ。かわされそうになってもすぐに追いつき、クリーンに身体を入れて事なきを得る。
 
 力強さ、粘り強さだけではない。相手の背後にピタリと寄せ、タイミングを見計らってすっと足を出しカットするその技術は、もはや職人芸だ。
 
「絶対にやられないように」
 
 ハイチ戦のすぐ後のゲームだけに、本人に期するものがあったのだろう。代表での悔しさを発奮材料に、自らの存在価値を十二分に証明する活躍ぶりだった。
 
「ダメだった試合からは、上がっていくだけ。それは個人としてもそう。じゃあ、どこで上げるかと言ったら、やっぱりJリーグ。代表とクラブではやり方が違うから、そこはしっかりと切り替えて。僕らは首位にいますし、優勝するために、もっともっと自分のパフォーマンスを上げていきたい」
 
 有言実行。ハイチ戦後のミックスゾーンで、顔を上げてこう語っていた常勝軍団の背番号3は、不甲斐なかった代表戦のケジメをつけるようなプレーで広島を完封してみせた。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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