(写真=S-KOREA編集部)

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「整形手術を受けに韓国を訪れた中国人女性3人が術後、顔が変わりすぎて出国できずにいる」

そんな衝撃的なニュースが報じられた。

腫れた顔に包帯を巻いて空港と思われる場所にいる3人の写真を複数の中国メディアが報じると、中国のSNS上が炎上。韓国メディアはもちろん、日本でも同ニュースを取り上げるメディアがあった。

中国版ツイッター「微博(ウェイボー)」上では、「韓国が3人の女性を出国できないようにしており、彼女たちはいつ中国に帰れるかわからない」という話まで出ていたほどだ。

大型連休の整形はトレンドだが

渦中の3人は中国の国慶節連休(10月1〜8日)を利用して韓国を訪れ、整形手術を受けたという。

同じ時期、韓国も秋夕(チュソク)の大型連休に入っており、たしかに美容整形の予約が殺到していたことは以前、紹介した通りだ。この時期、韓国で整形手術を受ける人が多かったことは間違いないだろう。

とはいえ、整形手術で顔が変わりすぎて外国人が出国できない事態になったという話は聞いたことがない。

不思議に思っていろいろと調べていくと、このニュースがまったくの“デタラメ”であったことがわかった。

韓国メディア『東亜日報』は10月11日、「整形観光した中国女性3人、顔が変わって出国できず? 確認してみると“悪意的な偽ニュース”」と題した記事を報じている。

“偽ニュース”に踊らされる

同紙の記者が「出入国・外国人政策本部」に事実関係を確認してみると、担当者は「そのようなことはまったくなかった。偽ニュースだ」と話したという。

つまり、偽ニュースが流れただけで、出国できない中国人女性などいなかったという話だ。

アメリカ大統領選にまで影響を与えたとされる偽ニュースは、韓国でも問題視されているが、少なくない人が今回も騙されてしまったわけだ。

『東亜日報』の同記事によれば、「韓国を訪問する外国人は入国時に残した指紋を通じて、身分を確認する」そうで、「パスポートと顔が違うという理由で出国させないことはない」とのこと。

不幸な中国人女性はいないということで一安心だが、気になったのは、記事の締めくくりとして挙げられている関係者の発言だ。

「噂の発生地は中国のようだが、韓中関係が悪化した状況で誰かが悪意を持って作り、拡散させたようだ」

“嫌韓トラブル”は中国やブラジルにまで

実際に中韓関係は現在、悪化の一途を辿っている。

韓国企業の営業停止や韓国製品の不買運動をはじめ、中国市民の間でも嫌韓ムードが高まり、中国ならではの露骨で過激な“嫌韓活動”が行われているという。

振り返れば、今夏に行われた中国最大級のゲームイベント「チャイナジョイ」でも、韓国ゲーム会社のブースは、主催者側から「韓国」という名称を使うなと指示されたという話もあった。

以前はドイツやアメリカで“嫌韓トラブル”が起きていたが、最近はブラジルや中国でも発生しているというのだから穏やかではない。
(参考記事:「目が細くなるぞ!!」発言に激怒。独、米国に続き、ブラジルでも“嫌韓トラブル”発生のなぜ?

いずれにしても、今回の騒動は偽ニュースだったが、中韓関係が未だに冷え込んでいることは間違いない。一日も早い改善を願いたいのだが…。

(文=慎 武宏)