2003年に中央大から入団、以来キャリアのすべてを川崎Fで送るMF中村憲剛

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[10.14 J1第29節 川崎F3-2仙台 等々力]

 ホーム・等々力競技場で迎えた、J1通算400試合目。大学卒業の選手としては、藤田俊哉以来史上2人目となる快挙だ。そのメモリアルマッチで2点差をひっくり返す逆転勝利をおさめても、川崎フロンターレMF中村憲剛は「反省が多い試合」と試合を振り返った。

「ルヴァンでの2試合を受けて、川崎より優位に立っているのはどこか」と思案したベガルタ仙台の渡邉晋監督。川崎F対仙台はルヴァン杯準決勝と同じ顔合わせで、11日間で3試合目となる。3度目の対戦にあたって、渡邉監督は「前から守備にいけるシステムをつくる」と3-5-2の布陣で臨むと、川崎Fにほとんどチャンスをつくらせないまま前半を進めた。前半のうちにMF家長昭博が退場したのも「偶然ではない」と指揮官はプランが通りだったことを認めた。

「(仙台の)出足がよかったというところを差し引いても、それを上回れなかったというところがあった。運動量は向こうが多かったので、そこはこちらが劣っていた」。最終的に10人になって1点を先行されてしまった前半を中村憲剛は振り返る。しかし、1人少なくなってからも後半に入って持ち直したのは、ハーフタイムに「はがされても前から行く」と覚悟したからだという。後半15分にカウンターからFW石原直樹に2点目を許して0-2とされたが、その後逆転までこぎつけたのは「0-2になったときになげいたやつが誰もいなかった」からと中村憲剛。「失点したときにみんなの顔を見ますけど、『諦めた』っていうやつが誰もいなかった。後半の内容も全然ダメで2点目もとられたらそういうふうになってしまう選手も出てきたかもしれないけど、ある程度『いけるんじゃないか』と感じながらやれていたと思う」。

 2失点目から22分後の後半37分、DFエウシーニョの得点で鬱積していた等々力競技場に光明がさすと、1分後に主将のFW小林悠が同点弾。「2点目とってからはいけるだろうという等々力の空気がすさまじかった」。サポーターの大声援に後押しされたチームは、同点から3分後に小林の2点目で逆転、“等々力劇場”は幕を閉じた。

 別会場では首位・鹿島が広島に2-0で快勝、2位川崎Fは勝ち点差「5」をキープした。「今日負けたら終わってた」。鹿島との勝ち点差はつめられなかったが、残り5試合ということを考慮すれば、もし仙台戦に負けていれば鹿島の背中はかすんでいたところだ。「こういう試合をものにしたっていう体験が、チームをまたひとつ強くする」。川崎F一筋でひとつの節目となる400試合目を戦い終えた男は、チームにとっても自身にとっても悲願となる初タイトルに向けて、また一歩を踏み出す。

(取材・文 奥山典幸)


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