意外と知らない社会的な問題について、ジャーナリストの堀潤さんが解説する「堀潤の社会のじかん」。今回のテーマは「二重国籍」です。

蓮舫さんの二重国籍問題が以前ニュースになりましたね。あそこまで騒がれたのは、彼女が元閣僚で民進党党首だったからです。また、「二重国籍ではない」と言い張ったことが虚偽だったという、政治家としての発言責任問題も大きく関わっていました。

国の要職につく政治家の二重国籍がなぜ問題になるのか。それは、たとえば敵対している国との二重国籍だった場合、本当に国益になる判断ができるか。スパイ行為に及ばないとも限らないからです。とはいえ、容認するかどうかは国によっても異なります。

アメリカでは、過去に州知事を務めたシュワルツェネッガー氏は、オーストリア国籍とアメリカ国籍の両方を持っています。しかし、アメリカ大統領は、アメリカ単一国籍かつ、アメリカ生まれでないとなることができません。

現在イギリスの外務大臣で、元ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏は、アメリカ国籍とイギリス国籍の両方を保持していたそうです。フィリピンやオーストラリアでは、二重国籍の政治家は認められていません。

国籍の取得ルールは大きく「血統主義」と「出生地主義」に分かれます。

日本は「血統主義」。父親か母親が日本人であれば、たとえ外国で生まれても日本国籍を取ることができます。ただし、その場合、出生後3か月以内に届け出をしないと権利は失われます。逆に、代々日本に暮らしていても、両親が外国籍の場合は日本国籍を取得することができないんですね。対してアメリカは親が米国人でなくても、アメリカで生まれればアメリカ国籍を取得できるという「出生地主義」です。

国籍を持っていなくても住民権は得られますし、税金も納めますが、選挙権は得られません。

日本で働く外国人労働者の数は100万人を突破しました。これから、外国ルーツの子どもはますます増えるでしょう。アスリートでも、外見は外国人風でも日本人として活躍する方がたくさん出てきましたよね。今後、何世代も日本で暮らす外国人が増えていくなかで、彼らが政治参加できないままでよいのかどうか? これから議論の必要があると思います。

堀潤 ジャーナリスト。NHKでアナウンサーとして活躍。2012年に市民ニュースサイト「8bitNews」を立ち上げ、その後フリーに。ツイッターは@8bit_HORIJUN

※『anan』2017年10月18日号より。写真・中島慶子 イラスト・五月女ケイ子 文・黒瀬朋子

(by anan編集部)