金属のいかなる黒ずみも落としてピカピカにする業務用製品「グラノール」の実力とは

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 これまで複数回にわたり工場の実態について書いてきたが、閑話休題。モノづくり大国である日本には、日本国内のみならず、世界各国からも数多くの優秀な「業務用」が集結する。

 工場に勤務していた筆者も、業務用製品の恩恵にあずかる場面が多かった。工場で使用する業務用品は、

1.専門性の高い工具
2.普段日常で使っているもの

 に分かれる。1は高額で工場の施設が必要なものばかりで、2は文字通り日用品を工場で利用するパターンだ。

 しかし、今回紹介する業務用アイテムは、業務用から一般に転用できる製品。日本に並ぶモノづくり大国であるドイツが生んだ研磨剤「グラノール」である。

 金属を扱うプロや職人も御用達の金属研磨剤「グラノール」。かつては「ウィノール」や「ウェノール」という名で販売されており、第一線で活躍する現職の間では、いまだにそう呼ばれていたりする。

 このグラノール、1本で鉄やステンレス、アルミ、金、銀、銅、ニッケル、真鍮など、多金属の研磨に使える代物だ。日常身近で使えるところだと、ドアノブ、楽器、ジッポライター、シルバーアクセサリー、車やバイクの金属部分などがある。

 金属がビカビカに光輝くのはもちろん、磨く際に使った布も、ピンク色のペーストからは想像もつかないほど真っ黒になるため、とにかく磨いた後の「達成感」がハンパない。

◆一般洗剤ではほとんど落ちないシルバーの黒ずみが一発!

 金属の汚れには、柔らかい布や一般洗剤で落ちるものあるが、中にはいくらこすっても一向になくならないものもある。シルバーアクセサリーの黒ずみがいい例だろう。この黒ずみは「硫化反応」の仕業なのだが、空気中に漂う微量の硫化物と銀が化学反応を起こすために発生するもので、一般洗剤ではほとんど落ちない。

 グラノールは、これを見事に落とし、さらには薄い油膜が張られることで変色防止にも一役買う。

 ホームセンターなどで売られている研磨液も大変重宝するが、グラノールがいいのは、研磨液と違い、ペースト状であること。

 のびがよく、初心者でも磨きやすい。なにより、使う量がほんの少しでいいため、その道のプロですら100mlタイプ1本を使いきるのに半年を要するほどだ。数年使わずに保管しておいても品質もほとんど変わらないので、コスパはかなりいいと言える。

 例えばシルバーリングの場合、チューブからほんの5ミリほどを布に取り、包み込むようにして軽く擦り磨く。

 その他の金属を磨く際のコツとしては、シンクなどのような平面ステンレスの金属の場合は円を描くように、滑らかな曲線がある金属は長手方向に、形が複雑で凹凸の多いものは、竹串やつま楊枝などに布を数枚重ね巻いて磨くときれいに仕上がる。

 気を付けたいのが、「宝石付き」のアクセサリーだ。グラノールは研磨剤なので、石にペーストを付けると傷つける恐れがあるため、磨く前に石の部分はマスキングテープなどで保護するといい。

 メッキしてある金属には不向きだが、それを逆手に取った「メッキをはがし」にも使える。その他、使えるか不安な場合は、目立たないところで付け試しして使用することをお勧めする。

 成分に石油が含まれているので、食器類を磨いた後は洗剤を使って水洗いしよう。がっつり磨いた後は、布だけでなく手も真っ黒になるが、その際は以前紹介した業務用のピンク石鹸で洗うと簡単に落ちるので、併せて使うといいだろう。

【橋本愛喜】
フリーライター。大学卒業間際に父親の経営する零細町工場へ入社。大型自動車免許を取得し、トラックで200社以上のモノづくりの現場へ足を運ぶ。その傍ら日本語教育やセミナーを通じて、60か国3,500人以上の外国人駐在員や留学生と交流を持つ。ニューヨーク在住。