堅実女子のお悩みに、弁護士・柳原桑子先生がお答えする本連載。今回の相談者は、森田朱美さん(仮名・37歳・派遣社員)です。

「去年から、出会い系アプリで知り合った、同じ年の男性と交際しています。アプリは基本的に独身専用ということになっているので、安心して付き合っていたら、既婚者ということがわかりました。

マジメな外見と中堅のメーカー勤務で、お泊り旅行もしましたし、一時的にせよ、ひとり暮らしの私の家で半同棲生活をしていたこともあります。最近結婚の話を進めようとしたら、“僕には子供がいるし、結婚はムリ”と言われてしまいました。さらに“アプリは僕には遊び専門だから、君だけじゃないし”と言い捨てられてしまいました。

私は結婚するつもりで、彼の趣味に合わせてガマンしていたこともあり、ショックすぎます。貴重な1年間をムダにしてしまったので慰謝料を請求したいです」

弁護士・柳原先生のアンサーは……!?

まず、2年間も交際していたのだから、既婚者なのに独身と偽っていた相手の男性に対して、何らかの“違和感”がなかったか、今後のためにポイントを知っておいてはいかがでしょうか。

例えば、「土日は会えない」と言われるとか、必ず終電で家に帰るとか、自宅を教えてくれないとか……。それこそ、SNSの投稿内容、彼と友人との会話の内容に対し、「家族の気配があるのでは?」という視点からチェックすると、ボロが出るものです。長期にわたりウソをつき通すことは、簡単ではありません。

さて、あなたの場合ですが、婚約に至っていればもちろんですが、そこまでいっていなくとも交際の当初から相手の男性は「自分は独身です」と言って、あなたをだまして交際を始めたとのことです。性交渉もしていたとすれば、あなたの貞操侵害を理由に、慰謝料を請求することができます。

ただ、そういう自分勝手な男性は、都合が悪くなると「僕は既婚と伝えたはず」などと意見をひるがえす可能性が大きいです。既婚と知りつつ性交渉をもったとなれば、慰謝料は請求できなくなりますので、男性が未婚だとだましていたことを示す証拠(メール等)がないか確認してみてください。

背景の人間関係に注意を払って相手を観察し、既婚者か未婚者かの見極めをすることも大切かもしれない。



■賢人のまとめ
背景の人間関係を知らない人と交際する場合、相手が既婚者かもしれない、と疑いの目で見てみることも大切かもしれません。

■プロフィール

法律の賢人 柳原桑子

第二東京弁護士会所属 柳原法律事務所代表。弁護士。

東京都生まれ、明治大学法学部卒業。「思い切って相談してよかった」とトラブルに悩む人の多くから信頼を得ている。離婚問題、相続問題などを手がける。『スッキリ解決 後悔しない 離婚手続がよくわかる本』(池田書店)など著書多数。

柳原法律事務所http://www.yanagihara-law.com/