福原愛さんが13日、台湾で女児を出産した。中国でも多くのメディアがこの話題を扱ったが、台湾人である夫の江宏傑さんを中国人として扱い、赤ちゃんも「日中のハーフ」などとする記事が目立つ。写真は日本での結婚会見。

写真拡大

卓球選手の福原愛さんが13日午前、台湾・高雄市内の病院で体重2995グラムの女児を出産した。福原さんの人気が極めて高い中国でも、多くのメディアがこの話題を報じた。福原さんの夫は台湾の卓球選手、江宏傑(ジアン・ホンジエ)さんだが、中国メディアの報道では江選手を中国人、赤ちゃんを「日中のハーフ」などと紹介する記事が目立つ。

江選手は1989年2月に台湾新竹市で生まれた。福原選手は88年11月の生まれで、2人が結婚したのは2016年9月だった。福原選手は遼寧省と広東省のチームで活動したこともあり、中国で絶大な人気がある。江選手との結婚が発表された際には一部で「中国人でなく台湾人だ」と落胆する声が出た一方、台湾人は中国人であるとの論調も出た。

13日の出産を伝える記事では、江選手を改めて「中国人」として扱い、台湾は中国の一部と強調する記事が目立つ。主だったものを挙げても「中国人の赤ちゃんが生まれたよ!」(捜狐)、「中国台湾省高雄市の病院で女の子を出産」(中国新聞社)、「(福原さんは)中国人の嫁として真剣に学習」(東方体育)、「福原愛が日中ハーフを出産。中国人夫は…」(捜狐)など枚挙にいとまがない。

福原さんの出産前から赤ちゃんの国籍について関心が持たれていたが、誤った情報も出回った。きっかけと見られるのは捜狐が8日に発表した記事で、「福原さんは7日のブログで、すでに中国台湾省から日本の仙台の実家に戻って出産に備えている」ことを論拠に、日本国籍を取得する考えと主張した。

福原さんの7日の公式ブログを見ると、9月に仙台に一時帰国をした際の状況も紹介されているが、投稿時点には明らかに台湾にいたと読み取れる内容だ。捜狐の記事は、日本語のよくできない記者が担当し不正確な情報を流した可能性がある。

また国籍についても、出生地に関係なく日本と台湾(中華民国)の両方の国籍取得が可能で、22歳までに二重国籍状態を解消すればよい。つまり出生地と国籍に直接の関係はない。捜狐の記事は情報収集の点で「フライング」が目立つ。

なお、中国における台湾関係の報道では、政治的主張の強い記事の場合には「中国台湾」などの表現を用いる場合があるが、それ以外では単に「台湾」「台湾人」などと書く場合も多い。中国当局は政治上の大原則として「台湾は中国の一部」と主張し続けているので、中国メディアの立場からすれば、「福原さんの夫は中国人」などと書くことに矛盾はないが、政治に直接の関係がない台湾絡みの話題で、ここまで「中国」が強調されるのは異例だ。

中国人にとって福原さんの好感度があまりにも高く、「中国との密接なつながり」を強く願っていることが、「中国」を強調した一連の記事や、フライング気味の記事が発生した背景にあるようだ。(翻訳・編集/如月隼人)