『写真:AFLO』

「脳動脈瘤や脳の血管狭窄がそろそろ見つかるのが40代以降なんです」(内科・脳神経外科 西原クリニック院長・ 西原哲浩医師)

 40代を超えた我々の体には、さまざまな変化が起こっている。「どうせ疲れだろう」と思っても、じつは危険なサインの可能性がある年齢だ。にわファミリークリニックの丹羽潔院長は、なかでも「頭痛に注意」と語る。

「肩こり頭痛や片頭痛なら、40歳を過ぎる前に発症していたはず。だが、40歳を過ぎて初めて頭痛を経験して、痛みが続いていたり、今までにない頭痛があるなら、一度受診を。怖い病気を抱えていることが多いのです」

 はたして、危険な頭痛とは具体的にどんなものなのだろうか。

「ふだん起こる頭痛の9割強は、頭蓋骨の外の問題です。それ以外の、頭蓋骨のなかの、脳やその周辺の異変が原因で起こっている頭痛こそ危険なんです」(東京慈恵会医科大学脳神経外科学講座教授・谷諭医師)

 特徴のひとつに、急激な痛みが挙げられると谷医師は続ける。

「血管が切れる、破れるというのは、突然起きる。だから、『何月何日何時何分に急に痛くなった』と自覚できる頭痛の裏では、脳の周辺で何かが起こっている可能性があります」

 谷医師は、40代以降には特に「くも膜下出血」に注意してほしいと指摘する。

「外傷、動脈硬化、その他疾患など原因はさまざまですが、約100人に1人が動脈瘤を持っています。年間でそのうちの約100人に1人の動脈瘤が破裂し、くも膜下出血を起こしてしまうのです。40代以降の人を急激に襲い、一度起こると元どおりに回復できるのは3割ほどという怖い病気ですよ」

 くも膜下出血で起きた頭痛を見分けることはできるのだろうか。

「『バットで殴られたような』『急に後ろからドーンと殴られたような』突発的な痛みです。脳内ではなく、脳を包むくも膜の下に出血するため、脳の破壊によって現われるような手足の麻痺やしびれは起きません。くも膜下出血は起こってしまうと、どんなに軽い出血でも、2、3週間続きます。急激に起きた頭痛が、1日、2日たっても続いているときは注意してほしいですね」(丹羽医師)

 一方、痛みが急激でない頭痛もある。

「慢性硬膜下血腫は最初はなんともなくても、徐々に痛みがひどくなります。悪化すると言葉が出にくいなど、 認知症のような症状が出ることも。原因は1カ月ほど前に受けた軽い外傷などで、年齢が上がるにつれて、発症リスクが高まる病気です」(西原医師)

 痛みが出る時間帯が、見分け方のサインになるのが脳腫瘍だ。

「脳腫瘍は朝痛むんです。もともと脳は痛みを感じないので、脳腫瘍で出る痛みは、腫瘍がテニスボール大になって頭蓋骨や周りの膜を圧迫しているということ。起床時には頭蓋内の圧が上がるため特に圧迫が強まり、痛みが出るのです。また、脳圧のせいで吐き気が出ますが、嘔吐すると脳圧が下がって楽になるというのも脳腫瘍の特徴ですね」(丹羽医師)

(週刊FLASH 2017年9月26日号)