今や社会人の2人に1人が転職している時代。総務省の労働力調査でも2016年の転職者数は306万人。7年ぶりに300万人台の大台に上がったとニュースになり、これからも転職人口は増加予測。

そこで、本連載では、いい転職をした女性と、悪い転職をした女性にお話を伺い、その差は何かを語っていただきました。

町田詩織さん(仮名・37歳・千葉県出身)

転職回数……2回(広告代理店→保険会社)
転職した年齢……22歳、23歳
年収の変化……150万円→700万円
学歴……中堅県立高校卒業

高卒で就職したのは、超地味〜な地元の工務店

トレンディードラマを見て育ったので、東京のカッコいいオフィスで働くことに憧れていました。でも、ウチは母子家庭だったので、進学なんてそもそも選択肢になく、高校卒業後は地元の工務店に就職。18歳から22歳まで、毎朝、お弁当を持って自転車で会社に行き、帳簿と雑用をする毎日過ごしました。勤務時間は8時〜17時、手取りの給料は10万円スタートで22歳のときは14万円くらい。社員は40人くらいいましたが、ほぼ現場のスタッフです。

高校時代のバトミントン部の先輩と交際しつつ、このまま結婚して子供を産んで、地元で死んでいくんだな〜と思っていました。

彼が、別の女性を妊娠させてしまい、人生を見つめなおす

最初の工務店を辞めたのは22歳の時。17歳から付き合っていた先輩がガールズバーの女の子と浮気し、その子を妊娠させてしまったんです。その報告をされて、驚いて呆れて泣いていたら、彼が「おまえのために、中絶させる」と言ったんですよ。それで目が覚めたというか……簡単に女性の体を傷つけて、しかも私のせいにさせる男はこっちから捨ててやると思い、人生を考え直しました。

恋人と別れて、辞表も提出。有休消化の間に東京で働くという夢をかなえるために転職活動を始めました。

会社のビルがカッコいいからと転職を決めてしまい、地獄を見た……

オフィスの見た目だけで、勤務先を決めてしまい大失敗!

転職ってしたことがないから、まず、都内に行ったときに求人のフリーペーパーを見て、勤務地が渋谷区、新宿区、港区で「学歴不問」と書いてある会社に履歴書を送り、7社から面接の返事がきました。広告代理店、芸能事務所、競馬情報サイトなどから返事が来て内定が出たのが5社あり、その中からビルが一番カッコよく、首からIDカードをかけられる、ある広告代理店に決めました。

私はイナカモノだから、あのIDカードに憧れて(笑)スーツを着て1時間かけて通勤していましたが、ここが超ブラック企業だったんですよね。広告代理店とは名ばかりで、要はテレアポのスタッフ。待遇も正社員でさえなかったんです。給料も手取りで30万円と言っていたのに、成果報酬型で12万円くらいしかもらえませんでした。ICカードをかざして入るステキなオフィスに騙されました(笑)。

朝9時から21時までの12時間労働で、休憩は30分程度。社長の愛人がチームリーダーで、“がんばって”とか“ポジティブな気持ちで”など言われながら仕事をするのはホントに苦痛でしたね。結局、1年で辞めました。

都会の高層オフィスビルで、颯爽と働くことが夢だというアラフォー女子は少なくない。

無職期間半年で、貯金200万円を使い切り、正社員と収入にこだわって転職活動〜その2〜に続きます