「ブッダ最後の旅」から学ぶ平和思想とは?

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10月15日より、先人たちの知恵や体験に、じっくりと耳を傾ける番組『こころの時代〜宗教・人生〜 シリーズ “ブッダ最後の旅”に学ぶ』(NHK総合、毎月第3日曜5:00〜)が放送スタート。6回にわたって原典を読解するシリーズの新年度版として、今年度は、ブッダの肉声を伝える最初期の経典の1つ「大パリニッバーナ経」を掘り下げていく。東京大学大学院教授の丸井浩氏が講師を務める。

この「大パリニッバーナ経」は、「ブッダ最後の旅」の記録として名高い経典。80歳を迎えたブッダが最後の布教へと旅立ち、200kmもの旅の果てに、道中、亡くなるまでの行動と言葉が綴られたこの経典からは、“悟り”へと導く教えの核心はもちろんのこと、ブッダの他者に対する眼差しが浮かび上がるという。――ブッダは決して自分の教えを強要せず、弟子たちに自らを律し、自ら真理を掴み取ることを促し続けた。異教徒に対しても寛容で、それゆえ、仏教は戦争によって広まらなかった唯一の世界宗教となった。仏教思想が、インドの大地に生まれ育ちながら、アジア諸地域へと広まっていった今日的な意味、とりわけ仏教の平和思想としての可能性を問い直していく。

第1回「旅の始まり」は、ブッダオリジナルの教えを色濃く反映しているパーリ語原始仏典の特質を紹介したうえで、「ブッダ最期の旅」の全旅程を展望。ブッダが弟子たちと修行生活を送っていたラージャガハの霊鷲山から出発し、ナーランダー、パータリ村を経て、ガンジス河を渡るまでの旅をたどる。道中、弟子たちに繰り返し説いていた<三学の教え(=解脱の方法)>はもとより、マガダ国の大臣に説いた<会議や協同の勧め、法の順守、暴力の否定>などからブッダの社会思想を読み解き、旅の動機や目的地など、ブッダ最晩年の心境にも思いを馳せていく。