仏パリのユネスコ本部で、投票で次期事務局長に指名され、記者会見場に向かうオードレ・アズレ仏前文化相(2017年10月13日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】国連教育科学文化機関(UNESCO、ユネスコ)は13日、イリナ・ボコバ(Irina Bokova)現事務局長の後継を選ぶ投票を行い、オードレ・アズレ(Audrey Azoulay)仏前文化相(45)を次期事務局長に指名した。

 決選投票でアズレ氏は30票を獲得し、28票にとどまったカタールのハマド・ビン・アブドルアジズ・カワリ(Hamad bin Abdulaziz Al-Kawari)前文化相を破った。

 アズレ氏は同日決選投票に先立って行われた投票でエジプトのムシラ・ハタブ(Moushira Khattab)元家庭相を破って決選投票に臨んだ。決選投票の前までは首位に立っていたカワリ氏をアズレ氏が追い抜く形となった。

 サウジアラビアなどによるカタールへの経済封鎖が続く中、カワリ氏は自国以外の湾岸諸国からの支持を得られなかった。また米国が12日に、ユネスコは反イスラエル的な姿勢を取ってきたとして同機関からの脱退を表明したことも今回の投票に影を落とした。

 アラブ諸国は、アラブ諸国の中から初めてユネスコ事務局長を出すことを目指していたが、その望みは地域対立と米・イスラエルのユネスコ脱退表明によってくじかれた。カタールがイスラム過激派を支持しイランとも関係があるとしてサウジアラビア主導で今年6月に始まったカタールの経済封鎖に加わっているエジプトは、決選投票ではアズレ氏支持に回った。

 第4回投票で撤退したレバノンの候補者ベラ・エルクール(Vera El-Khoury)氏はAFPに対し、次期事務局長選出で繰り広げられた権力争いは、ユネスコ加盟国が各候補者の公約を気にも留めていないことの表れだと述べた。

 カタールは近年ユネスコに多額の資金を提供し、事務局長ポスト獲得に向けて強力なロビー活動を展開していた。湾岸で孤立している中、事務局長ポストを得ていればカタールの国際的地位を支える効果があっただろう。

 カワリ氏はまた、文化相在任中にカタールの首都ドーハ(Doha)で開かれた見本市で反ユダヤ的な書籍について沈黙を保ったとして、米国を拠点とするユダヤ人権利擁護団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター(Simon Wiesenthal Center)」から反ユダヤ的だと批判されていたことにも足を引っ張られた。

 アラブ諸国が分裂している中、フランスは各国間の関係改善と、対イスラエル関係の緊張緩和を図る目的でモロッコ系ユダヤ人のアズレ氏を推した。

 アズレ氏の指名は11月10日にユネスコ総会で行われる加盟195か国による投票で承認される必要があるが、過去に指名が覆されたことは一度もない。ボコバ現事務局長に続きユネスコで2人目の女性事務局長となるアズレ氏は、米国とイスラエルにユネスコ残留を促すという難題を抱えてのスタートとなる。
【翻訳編集】AFPBB News