取材会に登場した森田桐矢、小早川俊輔、前田航基、原嶋元久、小松準弥、山下聖菜(写真左から)

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2016年5月に上演されて人気を博した演劇「ポセイドンの牙」が、フレッシュな役者陣を迎えてリニューアルした形で、「ポセイドンの牙」Version蛤と銘打って10月13日から21日(土)まで東京・新宿の紀伊國屋ホールにて上演される。上演初日、公開ゲネプロと記者会見が行われた。

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摩訶不思議な海洋冒険譚が繰り広げられる舞台は、架空の都市ナカツ県オトガメ市。男子高校生の須永宇宙期(すながそらき)が通う水産高校は資金難によって、共学校から男子校へ、水産高校から防衛人材育成高校へと変えられそうになっていた。

宇宙期らは学校を救うために大金を手に入れようとして、海底に沈んでいると伝えられる“黄金の釣り針”を探そうと考える。だが、宇宙期たち以外にも黄金の釣り針を欲する神々が動き出していた…というストーリーだ。

主人公の宇宙期を演じるのは、弟の旺志郎とお笑いコンビ“まえだまえだ”を結成し、一世を風靡(ふうび)した前田航基。近年は大河ドラマなどにも出演し、俳優として活躍の場を広げている。

宇宙期がリーダーの陽気な男子高校生たち“スイサンズ”のメンバーとして、親が牧師のインテリ・道井磨多井(みちいまたい)役を原嶋元久、貝類オタクの葛崎賢人(くずさきけんじん)役を小早川俊輔、エロいことで頭がいっぱいな生方英(なめかたすぐる)役を小松準弥、スイサンズの“バカ筆頭”の萩原安打尊(はぎわらあんだそん)を森田桐矢が演じる。

そして、スイサンズが憧れるヒロイン・寅一知花(とらいちしるば)を演じるのは、舞台「遠い夏のゴッホ」「煉獄に笑う」など、舞台を中心に活躍する注目の若手女優・山下聖菜。知花は武闘派の美少女で、山下自身も「ちゃんと戦う役を頂きました」と語る、そのアクションに注目が集まる。

なお初日を終え、山下は自身のブログで「初日を迎えることができた安心感と、皆さまの目に初めて触れるという緊張感と、ほか様々感じるものがあり、私自身もすごく刺激を頂きました」と語っている。

ほか、物語の重要なキーを握る海神ポセイドン役を演劇集団キャラメルボックスの岡田達也、生徒たちを引率する英語教師の豊玉エリー役を元宝塚の愛原実花が演じるなど、舞台経験豊富な役者たちも多数参加している。

作・演出は、2014年にイギリスのウエールズ国立劇場に招聘されるなど、活躍の場を海外にも広げている伊藤靖朗。

社会風刺の作風でも知られる伊藤は「作家として時代に対して願いをぶつけていきたいという気持ちを強く持って、強い危機感を持ってこの作品に臨みました」と記者会見で語った通り、笑いと友情と恋が描かれる青春ストーリーである本作にも社会風刺の要素が盛り込み、作品をより一層味わいを深いものにしている。

また、客席でも役者陣が演技を繰り広げて客席を巻き込んでいく伊藤ならではの演出も本作に大きな魅力を加えている。

初舞台にして主演という大役を担うこととなった前田は「まえだまえだで舞台に上がらせていただいていたんですけど、そのときは3分だったから、それとは違う感覚。2時間板の上で立ち続ける責任というか重みを感じたり、逆にクイックな反応が返ってくる楽しさも久しぶりに感じることができて、舞台というものの魅力に魅せられています」と意気込みを熱く語った。

取材・文・撮影=武富元太郎