「第2の脳」を鍛えれば、運動が好きになる!?

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「運動をしたほうがいいのはわかっているけど続かない」「毎日忙しくて運動する時間がない」「ジムに通うなんて私には無理」。でも自分を変えたい、だけどそれって難しい。そんな「運動できない言い訳女子」。自分にも当てはまりませんか? 今回連載「人生が変わる、脳2.0」にご登場いただくスポーツドクターの辻秀一先生は、「運動が続く方法」を教えくださるのではありません。知識をつめこむだけでは、習慣は変わりません。ご紹介するのは、自分が変わっていくためのトレーニング。「第2の脳」を鍛えることで、「やらない自分」から解放していくことができるのです。
変わりたいのに変われないのは何故?
どうしても運動が続かない、運動が面倒、重い腰が上がらない......。それは、「運動は苦しい、めんどくさい」と思っているからではありませんか? ところが、多くのアスリートは「毎日体を動かさないと落ち着かない」と感じている。どちらも同じ「運動」なのに、捉え方でこうも違います。英語の勉強ができない、ダイエットが続かないなども「変われない自分」です。

「変われない、という多くの人は、まるで幽閉された城のような場所で生きています。その囚われの城とは、自分が作った"思い込み"。心理学的に言うと固定概念です。さらに、城の周りにはご丁寧にお堀までせっせと掘って、"思い込みの城"からできるだけ出ないようにしています。脳は変化を嫌います。居心地がいい場所から出たくない。出ないための言い訳を常に考えています。その代表的なものは『忙しい、難しい、無理』という言葉です」(辻先生)

変わりたいと言いながら変わらない人が多いのは、今の自分に居心地がいいから。運動しない、美味しいものを好きなだけ食べる、仕事や遊びに忙しい生活が心地いいから、その場所に留まっているのです。

「人間は、居心地が悪いと思ったらそこから出て行く生き物です。今、自分が感じている"居心地の良さ"は、自分で勝手に作りだした思い込みの「概念」だと気付きましょう。まず気づくだけでも、自分を変えることの1歩を踏み出すことになります」

今の自分から出られない"堅牢な城の壁"は、自分でわざわざ作っている、ということを、まずは認識しましょう。
「第2の脳」って何?
まずは「第1の脳」について。
「これは『認知脳』といい、状況や出来事に対して"判断をする脳の機能"を指しています。『雨が降ったから傘をさそう』『明日早いから早く寝よう』『ここは危険だから逃げよう』など外の世界に対し、常に自分がとるべき行動を判断しています。この認知脳のおかげで人間は危険を察知し、生命維持をしてきました。さらに行動が飛躍的に高度になりました。ところが、この認知脳ばかりが働くと、自分が感じていること(心)に目が向かなくなり、外の出来事にばかり振り回されてしまうようになります。多くの人は認知脳に支配されて、ストレスを生み出しているのです」
さらに、認知脳は出来事に意味付けをして、感情を生み出します。『雨だ=嫌だな』『運動=辛いな』と言った具合です。雨は水不足の時には恵の雨であり、体を動かすのが好きな人は、運動は辛くありません。要するに、自分の認知脳は、過去の経験や環境などから自分で勝手に意味付けをしているのです。
一方、『第2の脳』というのは心に向いた脳。私はこれを『ライフスキル脳』と呼んでいます。スポーツは、一瞬で心のリセットを求められる世界です。マウンド上で、『気分転換に、ちょっとお風呂に入ってきます!』というわけにはいきません。悪送球をした後、次の球を投げる瞬間には不安や緊張を一瞬でリセットしなければなりません。これを司っているのが第二の脳(ライフスキル脳)です。アスリートたちは、このライフスキル脳を常に鍛え続け、心を落ち着けられることを求められているのです。ライフスキル脳が鍛えられていると、行動に意味づけをし、感情を産みだす『認知脳』をマネジメントして、うまく付き合っていくことができるようになります。目の前で起きている出来事に心を振り回されることが少なくなってくるのです。これが、アスリートが常に平常心であり続け、ベストのパフォーマンスを出せる秘密です。スポーツは、心をマネジメントする脳(ライフスキル脳)を求められる最も原始的な活動なのです」