バンドを探すときの一番の常套手段は、好きなバンドとかかわりのあるバンドをまず聴いてみる。というやつだと思うんですけど。KEYTALK人気からthe cabsの再結成が望まれることがあんまりないように、最近はあんまり掘り返してまで音楽を聴こう!みたいな風潮がないみたいですね。だって探さなくても音楽だらけだもんね。仕方ないと思います。

 でもやっぱり掘り返して探してみると面白いものって結構出てくるもので、かねがね紹介したかったのがこれ。

 

 マイクロコズム。ゲスの極み乙女。のドラマーほないこかの元鞘です。

 ほないこかのドラムあんまり好きじゃなかったんだけど、ゲスの極み乙女。みたいな手数の多いパターンに合ってないだけで、こういうシンプルなパワードラムだと叩き方も込みで超かっこいい。

 に、加えてボーカルの太田美音が動きも眼も歌も完全に出来上がってる。ステージング慣れしてる。「ミュージシャン顔」ってあると思うんだけどこの人そういう表情してる。男にも女にもこんなのそういないよ。

 そんでやっと今日の本題なんですけど、彼女太田美音が組んだ新バンドayutthayaがスゲー良い。聴いてください。

 出だし、平日部長みたいな見た目の彼が弾くベースリフから最高。

 アユタヤ、と読むんだけどタイの古代遺跡から名前を拝借してるのにすごく日本人的。こういう曲って邦楽で、しかもバンドで、流行りと無関係な位置にいるバンドからしか聴けないじゃないですか。

 自称は「オルタナ」になってるみたいだけれど「オルタナ」って「ノンジャンル」とほぼ同じ意味で、これを分類するのってすごく難しい。

 でも、ほかにいなくはなくて、強いて言うなら「キャリア詰んだ20代以降が結成する実力はあるし曲も面白いけど流行りと全く関係ないことしてるから若者受けがまったくないバンドたち」っていう引き出しに俺はしまってます。見たことあるでしょう、そういうバンド。平日のライブハウスとか、ネットの片隅とかで。

 正直そういうバンドって面白いしクセも強いから聴いてて楽しいんだけれど、いかんせん凝りすぎてて、好き嫌いが別れ過ぎてて、紹介しづらいなと思うんです。

 でもayutthayaの場合、良い意味でクセがなくて、でも隅の隅まで凝ってて、歌も一度聴いただけで何度も頭の中で流れちゃう不思議な良さがあって、これ意外とみんな好きなんじゃないかなと。

 

 タイ語でコメント来ててウケる。

 このバンドの日本人らしさって、さっき言ったような「一度聴いたら耳から離れない歌」の部分で、しっかりA B サビの構成になってて歌謡曲として聴けるところなんですけど、なんか日本人らしからぬ油断ならない部分は、徹底的にリフ(繰り返しの楽器フレーズ)で曲が前に進んでいくところなんじゃないかと。

 これって今流行りのバンド音楽では聴けない代物で、普通(?)ギターのコード弾きの上にリードギターを申し訳程度に乗せて進行してくんです。リードが邪魔をしないというか。歌のメロディの延長を弾いたりコードの一音を切り取ったところを弾いたり。とにかくコード偏重なのが日本人。

 対してアユタヤの場合はベースとリードギターの音並びが中心。リフ音楽と呼ばれるカテゴリに分類されるんじゃないかと。

 なのに歌が超日本人。それが良い。すげえ好き。

 この「好き」はただ俺の性癖に直撃しただけなのか、万人が思う「好き」なのか。確かめたいです。聴いてください。みなさんは好きですか?

 それでは。

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