布団に横になる女性

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朝、寝起きに起こる頭痛に悩まされたことはありませんか? 寝起きの頭痛は、片頭痛や緊張型頭痛などがあり、それぞれ症状や対処法が異なります。にわファミリークリニック(兼東京頭痛クリニック院長)の篠原伸顕(しのはらのぶあき)先生にお話を伺いました。

目次

寝起きに起こる頭痛の症状寝起きに起こる頭痛の原因寝起きに起こる頭痛の対処法寝起きに起こる頭痛の予防法

 

寝起きに起こる頭痛の症状

布団に横になる女性

寝起きの頭痛は、人によってタイプが異なり、主に片頭痛か、緊張型頭痛かに分けられます。それぞれの症状から、どのタイプに当てはまるかを確認しましょう。

片頭痛の症状

片頭痛は、日本人のなかで約840万人が経験しているといわれています。次のような症状が特徴です。

頭に脈を打つような強い痛みがある

目の奥から側頭部、または頭全体に、えぐるような痛み、頭を刺さすような痛みと表現される、脈を打つような強い痛みがあります。片頭痛という症状名ですが、痛みは頭の両方に出てくることもあります。

急に痛みが出る

個人差がありますが、1日中続いているのではなく、治まったり、痛くなったりと繰り返し出てくる場合が多くみられます。痛みの継続時間は短い場合では2分ほど、長い場合には30分ほど続きます。薬を飲まなければ数時間から72時間にわたって、変動する痛みに悩まされます。

動作によって痛みが強くなる

片頭痛の場合には、頭を左右に振ったときに痛みが強くなります。おじぎをしたり、運動したり、頭を動かす動作をしたときに痛みが強くなります。

吐き気や嘔吐がある

吐き気や嘔吐がある場合が多いのも特徴です。実際に吐いてしまうこともあります。

光や音などに過敏になる

片頭痛を感じる前に、閃輝暗点(せんきあんてん)と呼ばれる、眩しい光や、視野を横切るようなギザギザした線が見える症状が出ることがあります。この症状が出る人は、片頭痛のある人のうち2割程度です。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は、デスクワークで長時間座っているような人に多くみられます。次のような症状が特徴です。

鈍痛が頭全体に広がる

緊張型頭痛の特徴は、頭を締め付けるような鈍い痛みです。後頭部の下の方で痛みが始まり、次第に頭全体の痛みが広がっていきます。

動作によって痛みは強くならない

緊張型頭痛の場合は、頭を動かしても痛みは強くなりません。片頭痛と区別するときのポイントになります。

吐き気や嘔吐はほとんどない

吐き気を感じる場合はほとんどありません。たとえ吐き気を感じることはあっても、実際に吐くまで至りません。

医療機関を受診すべき危険な頭痛

脳腫瘍

寝起きに、頭全体あるいは一部に圧迫感や鈍痛が続き、突然の吐き気やけいれん発作があるときは、脳腫瘍の可能性があります。起床後、突然嘔吐することもあります。こうした症状が見られた場合には、我慢せずにすぐに医療機関を受診しましょう。

寝起きに起こる頭痛の原因

頭をおさえる女性

寝起きに起こる頭痛は、血流の変化や、寝ている間の筋肉の緊張によって起こります。それぞれの頭痛が起こる原因とメカニズムを解説します。

片頭痛の原因

睡眠中に優位になる副交感神経によって血管が拡張した状態から、起床後に交感神経が優位な状態になると、心拍数が上がり、血管がさらに広がって、三叉(さんさ)神経と呼ばれる神経が圧迫されます。その刺激が、痛みを感知する大脳皮質の体性感覚野に伝わることで、痛みが出ます。

緊張型頭痛の原因

緊張型頭痛は、筋肉の緊張によって起こります。寝ている間に、寝相の悪さから筋肉の緊張が強まったり、身体が冷えたりすることなどが影響しています。こめかみや肩などの筋肉の血行が悪くなった部分に、炎症が起こり、痛みを促す物質が生成され、頭痛が引き起こされます。また、ストレスが慢性化することで、痛覚が過敏になり、脳が痛みを感じやすくなるともいわれています。

寝起きに起こる頭痛の対処法

頭痛の男性

寝起きに頭痛が起きたときには、症状によって対処法が異なります。片頭痛、緊張型頭痛、それぞれの対処法を紹介します。

片頭痛の対処法

首の後ろを冷やす

寝起きで痛みが出たら、首の後ろを冷やしましょう。首の真後ろのくぼんだところ「盆の窪(ぼんのくぼ)」に、冷却シートや冷えたタオル、氷嚢(ひょうのう)などを痛みが治まるまで当てます。盆の窪を冷やすと副交感神経の働きを抑えられるので血管が収縮して、片頭痛の痛みが軽くなります。

両耳の後ろを揉む

両耳の真後ろの頭蓋骨と首の筋肉の境目を揉むと、痛みがやわらぎます。盆の窪は揉んでしまうと、副交感神経の働きが活発になり、血管が広がって痛みが強くなる可能性があるため避けてください。

しばらく薄暗いところで休む

片頭痛の症状が出ているときには、光や音などに過敏になります。カーテンを閉める、部屋の灯りを消すなど、明るい環境を避けましょう。薄暗く、静かなところで痛みが治まるまでゆっくり休んでください。

カフェインを摂取する

コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは血管を収縮させる効果があります。そのため、血管が広がって痛みが出る片頭痛に有効です。朝起きたら、コーヒーや紅茶、お茶などを1杯ほど飲むとよいでしょう。

緊張型頭痛の対処法

寝る姿勢を変える

筋肉の緊張の原因のひとつに、寝る姿勢がよくないことが考えられます。枕が高すぎたり、寝る環境が悪かったりしていないか確認しましょう。

軽い運動をする

軽い運動は、筋肉を動かしたり、身体を温めたりすることで、筋肉の緊張をほぐします。ただし、水泳のような水に入る運動は、身体を冷やしてしまうため、緊張型頭痛にとっては好ましくありません。

マッサージや鍼灸

寝起きにストレッチやマッサージをして、筋肉をほぐすと頭痛の軽減につながります。両耳の真後ろの頭蓋骨と首の筋肉の境目を気持ちよいと感じる程度の力でマッサージするのも効果的です。マッサージをすると血流が良くなるので、肩や首、こめかみの凝りの解消につながります。鍼灸にも同様の効果が期待できます。
 
解消法を試しても頭痛が改善されない場合や、病気の可能性がある場合は医療機関を受診してください。
 
日本頭痛学会認定専門医一覧

寝起きに起こる頭痛の予防法

ストレッチする女性

寝起きで起こる頭痛の予防には、寝る前の対策が重要です。

片頭痛の予防

寝る前に体操をする

片頭痛になりやすい場合は、痛みがないときに、予防のための簡単な体操を行ってみましょう。ただし、痛みが出ているときに運動をすると、血流がよくなって血管が広がり、痛みがひどくなる場合があるので避けてください。

正面を向いて立ち、身体の軸を意識して頭を動かさないようにするそのまま、水平に腕を振って、両肩を大きく右に回転させる同じように頭を動かさずに、両肩を左に大きく回転させるこの動きを左右交互に2分間続ける

緊張型頭痛の予防

入浴する

寝る前に入浴をして、湯船に浸かり、筋肉をほぐすようにするとよいでしょう。こめかみや肩などの筋肉をマッサージすることも効果的です。入浴できない場合は、温かいタオルを筋肉にあてて、じんわり温めても頭痛の予防につながります。
 
<参照>
『ハリソン内科学第5版』デニス・L・カスパーほか編 ,福井次矢ほか監修(メディカル・サイエンス・インターナショナル)
『カプラン臨床精神医学テキスト第3版』ベンジャミン・J・サドックなど編著 ,井上令一監修(メディカル・サイエンス・インターナショナル)
『家庭の医学』主婦の友

photo:Getty Images

 

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