秋晴れに恵まれた9月末日、都内某所でとある学校の卒業式が行われるというので取材に行ってきました。その学校とは……なんと、日本で初めてカジノディーラー養成を目的に開校された「日本カジノスクール」です。

↑ガジノスクールの卒業式。しかも、第27回目!

 

カジノスクールって何?

カジノの学校と聞いて、なにを勉強する学校なの? という疑問がまず湧いてきます。

 

日本カジノスクールは、2004年に創立された、14年の歴史をもつカジノディーラー養成学校。ルーレットやブラックジャック、バカラ、ポーカーなどのカジノゲームをディーリングするディーラーを育成しています。また、カジノゲームだけでなく、カジノ文化や英会話、お客様にゲームを楽しんでいただくためのホスピタリティなども学ぶことができます。

 

卒業生は、主に海外のカジノや客船でプロディーラーとして働いたり、各種イベントなどでも活躍しています。これまでに652名の卒業生を輩出している日本カジノスクールですが、この日は、各学科あわせて36名の生徒が卒業しました。

↑卒業証書が授与され、滞りなく式は進行します

 

日本にはカジノがないのになぜスクールを開校したの?

現在のところ、日本にはカジノが存在していません。それどころか、日本カジノスクールが開校された2004年当時は「カジノ」という言葉自体、海外の遠い存在でしかありませんでした。そんななか、なぜ日本でカジノスクールを開校しようと考えたのでしょうか? 創設者でもある校長の大岩根 成悦氏に聞いてみました。

↑ご自身も豪華客船などでディーラーを経験されたという日本カジノスクール校長、大岩根 成悦氏

 

――日本ではまだカジノが非現実的な存在だった2004年にカジノスクールをつくろうと思った理由はなんですか?

 

大岩根氏:2002年に、当時の石原慎太郎都知事がつくった「お台場カジノ構想」というパンフレットを見て、5年以内に日本でもカジノができると思ったのがきっかけです。

 

都知事の構想から考えると、2006〜2007年にはお台場のカジノが実現すると思い、2004年に開校すれば、2〜3年の養成期間を経てディーラーをお台場に送り込めると考えました。

 

――実際には2017年現在でも日本でのカジノは実現していませんが、その間、経営が苦しかったことは?

 

大岩根氏:確かに、アテが外れて苦しい時期もありました。しかし、2020年の東京オリンピック開催を踏まえ、日本も観光立国へ向かっていくなか、カジノ法案の可決が現実味を帯びてきて、いよいよ夢が実現しそうです。

 

――つまり、2004年のカジノスクール開校は校長の「賭け」でもあったわけですね?

 

大岩根氏: そうです、ギャンブルでした(笑)

 

終始、明るくインタビューに応じてくれた大岩根校長。国会でのカジノ法案が話題に上ったことで、本気でプロディーラーを目指す生徒が増えたそうです。

 

カジノスクール卒業生に話を聞いてみた

今回、卒業を迎えた日本カジノスクールの卒業生にも話を聞いてみました。

↑谷澤 満里子さん

 

――カジノスクールに入学しようと思ったきっかけは?

 

谷澤さん:通訳の仕事をしていたんですが、語学力を生かせる仕事に就きたいと思って志望しました。

 

――カジノとの出会いは?

 

谷澤さん:実は、カジノへは行ったことはないんです。カードゲームが好きなこともあり、海外の人と話せる職業のなかでも、カジノディーラーが面白そうだと思いました。

 

――このあとの進路は?

 

谷澤さん:ワーキングホリデーを活用して、カナダでディーラーにチャレンジします。将来的には日本のカジノで働きたいと思っています。

 

――もっとも得意なカジノゲームは?

 

谷澤さん:ブラックジャックです!

 

↑宮澤 敬大さん

 

――カジノスクールに入学しようと思ったきっかけは?

 

宮澤さん: 大学生のときにワーキングホリデーでオーストラリアに行った際、カジノと出逢い惚れ込みました。

 

――早稲田大学卒とうかがいましたが?

 

宮澤さん:はい。大学卒業後は就職せずに直接この学校へ入学しました。

 

――このあとの進路は?

 

宮澤さん:まずは韓国のカジノへ修行をしにいって、腕を磨く予定です。

 

カジノスクールOBとブラックジャックで勝負してみた!

卒業式後の懇親会では、ブラックジャックとバカラのプレイテーブルが用意され、カジノスクールOBとのゲーム対決が催されました。このあたりは、さすがカジノスクールといったところです。

 

自称「ギャンブラー」の筆者も、プロのカジノディーラーに一発勝負を挑んでみました。

 

今回、お相手してくださったのは、現役のカジノディーラーでもあり、カジノスクールOBの児玉 章さん。

↑カジノスクールOBの児玉 章さん。カード捌きはさすがプロ!

 

今回は、ブラックジャックの一発勝負。ブラックジャックとは、手札の合計が21に近いほうが勝ちとなるシンプルなトランプゲーム。カードは2枚以上であれば何枚でも引けますが、21をオーバーするとその時点で負けとなります。A(エース)は、1と11の好きな数を適用できるというルールがあります。

↑いざ尋常に勝負! プロディーラーのお手並みを拝見します

 

↑最初にチップが配られます

 

↑もちろん全チップをベット。もし負けようものなら強制労働が……待っていませんが

 

↑筆者の手札。絵札が2枚なので合計数20。ブラックジャック的には超ナイスな組み合わせ。ディーラーが勝つには、合計21を出すしかありません

 

↑ディーラーの手札は合計12。このままなら筆者の勝ちですが、ディーラーはさらにカードを引きます

 

↑カードを2枚追加したところで合計17。カードをもう1枚引いて4を出せば合計21となり筆者が負けるのですが、ディーラーは、合計17以上になるまでカードを引き、17以上になった場合はカードを引かないのが決まりだそうで……

 

↑つまり、筆者の勝利となりました!

 

ドンジャラ(※)に続き2連敗を喫するかと思いましたが、今回は無事に勝利を収めた筆者。気を良くしたところで、児玉さんにかねてからの疑問をぶつけます。

※筆者は先日開催されたWEBメディア対抗ドンジャラ大会に参戦、そして衝撃的な敗北を喫したのです……。詳しくはコチラ

 

――ディーラーさんって、思い通りのカードが出せたり、ルーレットで狙ったところに玉を入れられたりするってホントですか?

 

児玉さん: できません(笑) むしろ、ディーラーはそういうことをしてはならないのです。あくまでも中立な立場でなくてはいけません。

 

――では、都市伝説ということですか?

 

児玉さん:その通りです。ディーラーはマジシャンではありません(笑)

 

――最後に、カジノで勝つための秘訣は?

 

児玉さん:ギャンブラーの皆さんにとってはつまらないかもしれませんが、確率通り忠実に賭けることです(笑)

 

日本でのカジノが現実味を帯びるはるか前からディーラー養成に取り組んできた日本カジノスクール。同校の卒業生が、日本のカジノで働く日がいまから楽しみですね!