米運輸省が自動運転「ウェイモ」を賞賛 商用化へ前進

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アルファベットの自動運転部門「ウェイモ(Waymo)」は、かつてないボリュームのレポートを公開し、同社のプロジェクトの詳細を明かした。グーグル内部で密かに進むムーンショットプロジェクトとして始動したウェイモが、ようやくその全貌を明かそうとしている。

10月12日、ウェイモは43ページにわたるレポート「On the Road To Fully Self-Driving」を公開。アリゾナ州で実施中の”Early Rider”プログラムの内容を明かした。ウェイモの自動運転車両には、これまでセーフティードライバー(緊急対応用の人員)が同乗し、テスト走行を行ってきた。しかし、ニュースメディアThe Informationは、ウェイモが早ければ年内に、無人の自動運転車による商用サービスを開始する見込みだと伝えていた。

ウェイモの今回のレポートは、同社の車両が既に”完全なロボット走行”が可能であることを明かしている。

「ウェイモの自動走行システムは、特定の地域で一定の条件化において、人間の運転者の助けを借りず、完全な自動運転が行えるよう設計されている」とレポートは述べている。「このテクノロジーはSAEインターナショナルが定める”レベル4”の自動運転に該当するものであり、システムが誤作動した場合には車両を安全に停止させる能力を持つ」

グーグルが自動運転分野に参入したのは8年前のことだった。これまで自動運転に注いだ資金は10億ドル以上であることが、ウーバーとの訴訟での裁判資料で明かされている。ウェイモが独自開発したLiDARセンサーは、昼夜を問わず周囲のデータを最大300メートルの範囲まで取得できる点が強みだ。この分野の大手のベロダインのLiDARセンサーの測定可能距離は200メートルまでとされている。

ウェイモはその技術的優位性を武器にしつつ、ウーバーやフォード、GMといった競合よりも多くの走行テストを実施してきた。

「ウェイモは8年にわたりマシンラーニング等の先進的テクノロジーを投入し、ソフトウェアを磨き上げてきた。数十億マイルに及ぶシミュレーション走行と、350万マイル以上の実地走行テストを通じて、システムを鍛え上げてきた」

今年4月からウェイモは、アリゾナ州のチャンドラーとフェニックス郊外で、地域住民を対象に無料のテスト走行プログラムを提供してきた。レポートでは、住民らがウェイモのアプリから配車を依頼し、目的地まで乗車する模様が報告された。ウェイモは利用者たちからのフィードバックを、サービスの改善に役立てているという。

米運輸省もレポートを歓迎

ここで用いられるPacifica Hybridミニバン車両の内部にはモニターが設置され、乗客らに周辺情報を提供している。

ウェイモが今回のテストプログラムにおいて、車両の清掃やメンテナンスをレンタカーのエイビスを傘下に持つAvis Budget Groupに依頼していることからも、同社はこのプロジェクトの商用サービス化を念頭に置いていることが推測できる。

アリゾナ州ではこのサービスの商用化にあたっての法的問題は存在しない。「このサービスを規制するような法律はない」と、アリゾナ州交通局の広報担当Ryan Hardingはフォーブスの取材に応えた。

ウェイモがこのサービスの商用利用を開始すれば、自動運転分野において、かつてない巨大な前進と呼べるものになる。一方で連邦政府や州も、新たなテクノロジーの導入に向けてのルールづくりを進め、この流れを後押ししている。

ウェイモが今回のレポートを公開した数時間後、合衆国運輸省はウェイモの取り組みを賞賛する声明を出した。

「合衆国運輸長官のイレーン・チャオが、自動運転車の安全ガイドライン”Vision for Safety 2.0(安全性へのビジョン)”を公開してからわずか1ヶ月後に、ウェイモは同社の安全に対する取り組みを発表し、自主的に情報公開を果たす企業の第一号となった」と、運輸省はEメールの声明で述べた。

合衆国運輸省はこの分野で企業らが物事を前に進め、Voluntary Guidance(自発的ガイダンス)の改良を重ねていくことを応援する、と述べている。