兄弟愛はライバル心を超える…シャルケファンの弟、ドルトファンの兄に腎臓提供

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 シャルケファンの弟がドルトムントファンの兄に腎臓を提供し、命を救ったことが話題となっている。8日付のドイツ紙『WAZ』によれば、手術を行ったのはミヒャエル・ライスター氏(シャルケファン)とホルガー・ライスター氏(ドルトムントファン)の二人だ。

 手術当日、2人は愛するクラブのユニフォームを着て手術室に入ったという。2005年に右足を失う事故に遭ってから、ホルガーさんは痛み止めの薬を飲み続けていた。しかし、薬が原因で腎臓が機能しなくなるほどの状態となってしまったという。兄の症状を聞いた弟のミヒャエルさんは「この話を聞いたとき、無条件でこの手術を受けることを決めた」と話している。

 ホルガーさんの手術は無事終了。担当医の話によると、移植した腎臓の適応までに時間がかかるそうだが、ホルガーさんはユーモアを忘れない。移植された腎臓が抗体を作り始めるのがわかると「私の身体がシャルカー(シャルケのファン)の身体の一部に適応しないといけないのは、はじめから分かっていたよ」と笑った。「ドイツでは、腎臓移植の提供者が現れるのに10年かかると言われるけど、ドルトムントの年間チケットを買うためには12年もかかるんだ」と愛するクラブを自慢も忘れない。

 ライバルクラブを応援する兄弟だが、サッカーに関する現実的な見解は共有しているようだ。「ブンデスリーガ優勝はどのクラブになると思いますか」と聞かれると「バイエルン」と声を揃えたという。少なくとも、今の状況では喧嘩にはならなさそうだ。