Doctors Me(ドクターズミー)- 他人を見ずにはいられない…“脇見恐怖症”の原因と克服法

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人の視線が気になることはありますが、逆に自分の視線が他人に不快と思われているかも…と感じたことはありますか?

その場合、もしかすると「脇見恐怖症」という病気が疑われるかもしれません。

今回は、「脇見恐怖症」の原因・症状・克服法などを、医師に解説をしていただきました。

脇見恐怖症とは 



対人恐怖症の一種で、自分の視線が他人に不快感や誤解を与えるのではないかという思いから、他人を見てはいけないと考えるものの、どうしても見ずにはいられない・見てしまうという恐怖感があるような状態です。正式な病名ではありません。

脇見恐怖症の原因 



対人恐怖症



対人恐怖症は「恥の文化」を持つ日本に多いと言われています。恥の文化とは、アメリカ人学者が著書の中で提唱した日本文化の特徴で、世間体や外聞といった他人からの視線を気にするといったものです。

それに対し欧米は自分自身の内面からの評価を重視する罪の文化であるとされています。自分がどう思うかより、世間一般がどう評価するかによって評価を変えるということです。

これらの対人恐怖症は、突き詰めると、「自分に自信がない、自分には価値がないと思っている」という自己評価の低さと「他人は自分に危害を加えるかもしれない」という恐怖感が原因ではないかと思われます。

視線以外にも、対人恐怖症には以下の種類があります。

・醜形恐怖症:自分の外見が醜いために、他人に迷惑をかけていると思う

・自己臭症:体臭が不快感を与えているのではと思う

・赤面恐怖症:顔が赤くなっているのではと思う

・表情恐怖症:自分の笑顔は不自然に見えているのではと思う

・視線恐怖症:他人の視線が自分に向けられているように思っていたたまれない

脇見恐怖症の症状

 

道をすれ違う相手、電車で向かいや横に座った人、教室や職場で視界に入ってくる人について、相手から「何見てるんだ!」と因縁をつけられたり、不愉快に思われるのではないか、と考えてしまいます。どこを見ていたら他人を不快にさせないのかが分からなくなり、外出や他人と関わることが苦痛になります。

眼鏡や前髪で視線を隠すことで対応しようという人もいます。他人のしぐさを悪い方に解釈し、「あの人は私の脇見を遮るためにああいう行動を取っている」と考えてしまいます。そこからさらに想像が働き、他人の発言を「自分への悪口だ」と解釈すると言った方向に悪化することもあります。

自分の視線は他人とは異なり、電波のようなものを含んでいて、他人に強い不快感を生み出させているのではないか?という妄想につながることもあるようです。

病院での脇見恐怖症の治療法 

 

受診科目 



心療内科、精神科

治療内容 



認知行動療法や森田療法といった治療法が用いられたり、抗不安薬や抗うつ薬を内服することが多いと思われます。

脇見恐怖症の克服法 



脇見恐怖症発症のきっかけとして、同級生から「不愉快だからこちらを見るな」「なんでこっちを見るのか」と言われたり、道端で「じろじろ見るな」と因縁を付けられたなどの出来事がある場合もあるようです。

しかし、日頃接する多くの人たちの中で、自分の視線で不愉快な思いをしている人はごくごく一部と考えられます。「電車で隣り合った人が咳ばらいをし、新聞で顔を隠した」といった場合、それが本当に自分の視線を不愉快に思い、視線を遮るために行ったことかは分かりません。

そういった解釈は自分が勝手に行ったものです。事実と自分の解釈を分けるようにします。事実のありのままを受け止め、余計な解釈を下さず、不安が増大しないように訓練するという意味で、認知行動療法は有効と思われます。

また、自分が熱中できること、自信をもって得意と言えることを見つけ、「視線に気を使っている暇なんかない」という心境に至ることができれば望ましいことと思われます。

最後に医師から一言

 

思春期の学校での人間関係や、慣れない仕事上のストレスなどから、恐怖感が生まれ、自分の思い込みから恐怖感がどんどん大きくなっていくということが起こりえます。

外出しようとすると動悸や腹痛など体調不良が起こったりパニック症状が出るような状態になると社会生活が難しくなりますので、心療内科や精神科で相談してみてください。

(監修:Doctors Me 医師)