ブラジル代表として、01年に日本で行なわれたコンフェデレーションズカップに出場したロッケンバック。バルサ入団時には大きな注目を集めた。(C) Getty Images

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 元ブラジル代表のファビオ・ロッケンバックが闇闘鶏に関与したとして逮捕されたとイギリス紙『サン』などが報じた。
 
 かつてバルセロナやミドルスブラに所属したMFは、ブラジル南部のリオグランデ・ド・スルで行なわれていた闇闘鶏に参加していたところを踏み込んだ警察官によって逮捕されたという。
 
 現場にいた147人のうちロッケンバックを含む57人が逮捕され、起訴されたと地元メディアは報道。これにより3か月から最大1年の懲役刑と、高額の罰金が課せられるようだ。会場では、89羽の雄鶏と2万4000ポンド(約348万円)の現金、ショットガン、薬物が押収されたことも報じられている。
 
 闘鶏とは、コックピットと呼ばれるリングで、脚に小型の刃物を括り付けた2羽の雄鶏が戦うもの。流血をともない、当然、死に至るケースもある。
 
 その残酷さ故に、動物愛護の面から1835年にイギリスで、そして1895年にはスコットランドで禁止されたものの、今もイギリスのアンダーグラウンド(地下街)には根強く残っており、海外にも普及している。
 
 とくにブラジルの農村部では、闘鶏が大きな収入源になっている地域もあり、巨額の掛け金が動いているのが現状だ。
 
 実は、この35歳の元セレソンも闇闘鶏と結びついたのは今回が初めてではなく、2011年にいくつかの闇闘鶏場が摘発された際にも疑惑を持たれ、彼の農場も警察に踏み込まれたことがあったようだ。
 
 ロッケンバックは19歳でバルセロナに在籍し、そこでは結果を残せなかったものの、2005年から2008年に在籍したミドルスブラでは背番号10を着け、68試合に出場した。その後はスポルティング、グレミオと渡り、2013年に中国で引退していた。
 
 かつてのスター選手の末路としてはあまりにもやるせない事件だった。

文・ワールドサッカーダイジェスト編集部