米映画プロデューサーのハーヴェイ・ワインスタイン氏(2014年5月19日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

写真拡大

【AFP=時事】米ハリウッド(Hollywood)の大物プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン(Harvey Weinstein)氏に浮上した性的暴行疑惑は、米政界にも波及し、民主党のバラク・オバマ(Barack Obama)前大統領やヒラリー・クリントン(Hillary Clinton)元国務長官に対し、友人で献金者でもあったワインスタイン氏を非難するのが遅すぎたとの批判が向けられている。

 ハリウッドを揺るがし民主党を震撼させているこのスキャンダルでは、ワインスタイン氏が一連のセクハラに加え、イタリア人女優を含む女性少なくとも3人に性的暴行をはたらいた疑惑が新たに浮上した。米メディアによると、ワインスタイン氏は広報担当者を通じて出した声明で、全ての疑惑を否定している。

 芸能情報サイト「TMZ」は、ワインスタイン氏がリハビリ施設に入るため欧州に向かう予定だと報道。広報担当者は11日、この報道について「ノーコメント」と述べるにとどまった。

 同氏と2人の子どもをもうけた妻で英ファッションデザイナーのジョージナ・チャップマン(Georgina Chapman)さんは、米芸能誌ピープル(People)に対し、同氏の元を去る意向を表明した。

 ワインスタイン氏のセクハラ被害者には今や、女優のグウィネス・パルトロー(Gwyneth Paltrow)さん、アンジェリーナ・ジョリー(Angelina Jolie)さん、ロザンナ・アークエット(Rosanna Arquette)さん、フランス女優のジュディット・ゴドレーシュ(Judith Godreche)さんも含まれると報じられている。

 オバマ前大統領と、昨年の大統領選で落選したクリントン氏はいずれも、10日になってようやく、友人であり支持者であるワインスタイン氏に対する強い嫌悪を表明した。

 クリントン氏は疑惑の発覚に「ショックを受けがくぜんとした」と表明。オバマ前大統領とミシェル(Michelle Obama)夫人は声明で、「嫌悪感を抱いている」として、「女性をそのような形で卑しめおとしめる男性は、富や地位の有無にかかわらず、非難され責任を追及されなければならない」と述べた。

■リベラル層は「偽善者」

 ドナルド・トランプ(Donald Trump)大統領が所属する共和党はこれに先立ち、リベラル派のエリート層は仲間の悪行に見て見ぬふりをしていると激しく非難し、民主党にワインスタイン氏からの献金を放棄するよう求めていた。

 共和党全国委員会(Republican National Committee)は11日に公開した動画で、クリントン氏が女性蔑視を非難する場面や、ミシェル夫人がワインスタイン氏を「素晴らしい人」と呼ぶ場面を流した上で、「口先だけでなく行動を。ハーヴェイ・ワインスタイン氏の汚い金をすべて返上しろ」と迫った。

 米政治資金監視団体「センター・フォー・レスポンシブ・ポリティクス(Center for Responsive Politics)」によると、ワインスタイン夫妻は1990年以降、さまざまな民主党候補者や政治行動委員会に140万ドル(約1億5700万円)以上の個人献金を行っていた。

 ワインスタイン氏は昨年、大統領候補だったクリントン氏の資金調達イベントを主催したり、こうしたイベントに出席したりしていたほか、オバマ大統領のホワイトハウス(White House)での公式晩餐会にも何度か出席している。

 2011年にはニューヨーク(New York)に所有する邸宅でオバマ氏の資金調達イベントを催し、ゲストにはパルトローさんと夫のロック歌手クリス・マーティン(Chris Martin)さん、テレビ司会者のジミー・ファロン(Jimmy Fallon)さんや歌手アリシア・キーズ(Alicia Keys)さんが含まれていた。

 民主党員らがワインスタイン氏からの献金の返金を開始する中。共和党員はリベラル層を偽善者呼ばわりして非難しているが、その多くは、大統領候補者だったトランプ氏に同様の性的暴行疑惑が浮上した際、トランプ氏支持を撤回することはなかった。
【翻訳編集】AFPBB News