3失点したことで酷評されているが、個人の出来は悪くなかった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[キリンチャレンジカップ2017]日本 3-3 ハイチ/10月10日/日産スタジアム

 ハイチに3ー3のドロー。
 
 結果だけ見れば、「何やってんだ」、「得るものがない試合」と言われるかもしれないし、ハリルホジッチ監督も「最低の試合をした」と怒っていた。しかし、この試合本来の目的である「テスト」という観点からみれば、むしろ大事なことがいくつか見えた試合ではないだろうか。
 
 今後につながる収穫が3つほどあった。
 
 まず、槙野と昌子のセンターバックのコンビだが、3失点という結果ほど悪くはなかった。1点目は、昌子と遠藤航のところで潰しきれていなかったからの失点であるし、2点目はフワっと集中力が切れた状態でFKを素早く始められ、対応できずに失点した。
 
 2点を先制し、プレーしている選手は相手の力量が読めたはずだ。そこで若干、気が緩み、集中力を欠いてしまった。それはコンビの問題というよりも個人の問題だ。
 
 3失点目は、ペナルティエリア外からのスーパーゴールで、これはなかなか防ぎようがない。3失点という結果ゆえに印象は悪いが、ふたりのコンビにどうしようもない欠点があるわけではなかったのだ。
 
 もっとも組織的なディフェンスに関しては、遠藤が初のアンカーで倉田秋、小林祐希の両インサイドハーフも初のコンビということで全体的にコンビネーション不足が見られた。初めて組む選手ばかりで中盤からの組織的な守備が難しいのは、やっている選手もある程度、想定内だったはずだ。むしろ個で負けなければいいぐらいの感覚で、昌子と槙野は割り切ってプレーしていた。
 
「3失点したらコンビはよくないって言われると思うけど、やっている側としては悪くなかったと思います」
 
 昌子はそう言ったが、それは強がりでも何でもなく本音だろう。
 
 一緒にやることで槙野のスタイルをより理解できただろうし、ファーストチョイスの吉田に不測の事態が起きてもやっていける手応えをふたりで感じられたのは収穫のひとつ。
 
 また、吉田のパートナーとなる選手のテストという観点から見てもハイチの選手にいいようにやられたシーンはなかった。足の長さや入れ替わりの早さに戸惑うシーンはあったが、それは彼らに限ったことではない。
 昌子にはディフェンスリーダーとして、試合の流れに応じていったん引いて守備する時間を作ったり、周囲の選手に指示を出したり、ゲームをコントロールする力を求めていきたいが、そうしたことを課題として得ることができたのは、昌子個人にとっては大きなプラスになったはずだ。
 
 もうひとつは、戦える選手が見えたことだ。
 
 前半の序盤、攻撃は縦を意識して機能していた。そのなかで効果的な動きをし、結果を出そうという強い気持ちを持ってプレーしていたのが、倉田と杉本だった。
 
 倉田はフィニッシュシーンに必ず、顔を出していた。
 
 前半7分の先制ゴールは長友に出た時点に相手のマークを振り切り、フリーの状態でニアサイドに入り込んで決めた。杉本のゴールも、もとは杉本からのパスを受けた倉田がフリーでシュートを放し、そこで決められるとより評価が上がるのだが、GKに防がれ、そのこぼれ球を杉本が決めた。しっかり2点に絡んでいたのだ。
 
 倉田はこの前のニュージーランド戦でも決勝ゴールを挙げるなど、これで2試合続けてのゴールになった。どんな試合でも2試合連続でゴールを決めることは簡単なことではないし、ましてや代表の試合で、しかもテストと言い渡されたゲームで取っているのだ。
 
 プレッシャーのかかる試合のなかで結果を出していくメンタルの強さ、運、技術の高さは代表でプレーする選手にとっては必要不可欠なもの。それを結果で証明したことは、テストでいえば合格点を得られたことになる。また、初スタメンながら周囲の選手とうまく絡んで攻撃の形を作り、6本のシュートを放ち、1ゴールを決めた杉本も合格点をクリアできたはずだ。