(写真提供=SPORTS KOREA)チェ・ダビン

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平昌五輪の開幕を間近に控え、盛り上がりを見せているフィギュアスケート。

羽生結弦をはじめとした有望選手たちの動向が連日、報じられているが、フィギュアに関心が集まっているのは、お隣・韓国も同様だ。

韓国で「ウィンタースポーツの花」と呼ばれているフィギュアは、冬季五輪種目の中でも特に注目されている。

ただ、韓国フィギュアの実力は日本には遠く及ばないと言わざるを得ない。

それは、9月30日のネーベルホルン杯でイ・ジュンヒョンが16年ぶりに男子に五輪出場権をもたらしたことが「快挙」と言われていることからもわかるだろう。

女子を見ても、4月の世界選手権でチェ・ダビンが平昌五輪の出場枠を2つ勝ち取ったことに韓国メディアは大喜びしていた。日本も獲得した出場枠は2つだが、出場枠「3」を逃したのは2002年のソルトレーク五輪以来4大会ぶりで、日本では落胆とともに伝えられることが多い。

韓国人選手が迫られる選択とは

それほど日本と韓国のフィギュアには大きな実力差があるということだが、その一因は、指導者不足にあるだろう。

日本の注目選手たちを見ると、そのほとんどが日本人コーチから指導を受けている。

羽生結弦こそカナダ出身のブライアン・オーサー氏が教えているものの、宇野昌磨には樋口美穂子コーチ、田中刑事には長光歌子コーチが付いている。

女子を見ても同様だ。

三原舞依を指導しているのは中野園子コーチ。宮原知子と本田真凛は、浜田美栄コーチの門下生として知られている。

一方、韓国の状況は対照的だ。

“男子版キム・ヨナ”呼ばれる期待の星チャ・ジュンファンは、羽生結弦と同じくブライアン・オーサーに師事している。

韓国男子フィギュア選手として初めてショートプログラムとフリーの合計200点をたたき出したキム・ジンソが指導を受けているのは、日本の無良崇人の父・隆志コーチだ。
(関連記事:「羽生結弦が韓国語で挨拶する」フィギュア選手キム・ジンソとは何者!?

今年2月に札幌で開かれた冬季アジア大会で韓国史上初の金メダルを獲得した女子のチェ・ダビンは、韓国人のイ・ウンフィ氏の指導を受けているものの、ドイツ人とロシア人のコーチが帯同している。

韓国人コーチに教わっているトップ選手は、冒頭のイ・ジュンヒョンぐらいだろう。

振り返れば、浅田真央とキム・ヨナを見てもそうだ。

浅田の師匠は佐藤信夫・久美子コーチだったが、キム・ヨナを育てたのは羽生とチャ・ジュンファンを教えているブライアン・オーサーだった。

日本と比較すると、韓国にいかに指導者が足りないかがわかるだろう。

韓国の有望選手たちがこぞって外国人コーチに指導を受けているということは、裏を返せば、韓国人コーチでは満足に実力を伸ばせないということでもある。

しかし、ほかのスポーツと比べて莫大な費用がかかるフィギュア選手にとっては、海外に指導を受けに行ったり、外国人コーチを呼び寄せたりすることは大きな負担にほかならない。

レベルは高いが費用はかかる外国人コーチか。費用は抑えられるがレベルは低い韓国人コーチか。

こうした選択を迫られている状況では、韓国でフィギュア選手が育たないのも無理はないだろう。

平日は満足に練習ができない理由

そればかりか、韓国は選手の練習環境も日本に劣っている。

日本と同様、各地のスケート場ではフィギュア教室が開かれてはいるものの、そもそもスケート場自体が少なく、多くの選手にとっては練習に向かうのも一苦労なのだ。

しかも韓国のスケート場は、平日の日中は一般の利用者との接触事故を避けるため選手は練習が禁止されている。そのため、選手たちは、一般客のいない早朝や夜に練習をしているのだという。

韓国メディア『聯合ニュース』は、スケート場の廊下でジャンプを練習する小中学生スケーターの姿を紹介していたが、与えられた環境の中で最大限に努力する姿には涙ぐましいものがあった。

これから先、韓国フィギュアがさらなる高みを目指すためには、選手の育成環境を改善するべきだろう。

そのためにも、選手たちには平昌五輪で良い結果を残すことが求められている。

過酷な環境に置かれている選手たちにとっては、“鶏が先か卵が先か”という酷な話ではあるかもしれない。

しかし、それが韓国フィギュアの現実だ。