『写真:AFLO』

 10月6日、「希望の党」の代表である小池百合子東京都知事が、衆院選における公約を発表した。
 

 小池代表は「公約は国家の安全保障と社会保障の2つ大きな柱を持つ」とし、「今まで他の党ができなかったこと。ある意味タブーに挑戦するような気持ちで、思い切った案を公約に盛り込ませていただきました」と説明している。

 発表された公約は「希望への道しるべ」と銘打たれた12の「ゼロ」。

(1)原発ゼロ
(2)隠蔽ゼロ
(3)企業団体献金ゼロ
(4)待機児童ゼロ
(5)受動喫煙ゼロ
(6)満員電車ゼロ
(7)ペット殺処分ゼロ
(8)フードロスゼロ
(9)ブラック企業ゼロ
(10)花粉症ゼロ
(11)移動困難者ゼロ
(12)電柱ゼロ

 なかでも気になるのは、花粉症ゼロではないだろうか。じつはこの花粉対策は、林野庁ですでに進められている。

「1980年代から、飛散する花粉量に対する調査など、花粉症に関する対策を始めてきました。現在の花粉症対策のメインとなるのは、花粉量の少ない新種のスギ苗木への植え替えです」(林野庁担当者)

 ところが、計画上必要となる苗木の供給がまだうまく進んでいないという。2015年度までに426万本確保されているが、まだ必要数の2割ほどだという。

「苗木の開発、成長には10年〜20年必要になります。スギは成長して初めて花粉を出すため、まず花粉の少ないスギを選ぶのに10年。そのスギの種から苗を育てるのにさらに10年かかるのです。苗木に薬剤をかけて花粉量を判定するのですが、この薬剤の開発にも時間がかかります」

 担当者によれば、供給された苗木に対して、実際に植え替えがどのくらい進んでいるかはわからないという。植え替えが進まない林業ならではの特別な事情もある。

「まずスギを伐採、植え替えするには土地の所有者の許可が必要です。花粉症対策だとしても、伐採した木を出荷し、林業として利益が出るように採算を合わせる必要があります」

 林野庁では過去に首都圏のスギ300万本を伐採・植え替えする花粉症対策事業費として100億円計上している。 

「伐採の人件費などのコストを含めると、花粉症対策全体でいくらの予算が必要かはわかりません。100億円の数字は過去に出したものですが、日本全体となるとどのくらいの予算が必要になるかは……わからないとしか言いようがありません」

 2015年度までに用意された426万本が全体の2割だとすると、日本全国で必要な本数はざっと2100万本。300万本で100億円の予算がかかったとすれば、最低でも700億円といえるかもしれない。

 小池代表は、公約実現のための予算がいくら必要なのか、具体的な金額やプランを示していない。花粉症がなくなれば大いに助かるが、実現への道ははるか遠いのだ。