自民党HPより

写真拡大

 衆院選公示日から早くも3日が経過したが、この週末から週明けにかけて、マスコミ各社は一斉に「情勢調査」を行った。「情勢調査」とはマスコミ各社が公示日前後に行なっている調査で、数字は公にされないが、新聞紙上などで情勢の予測の根拠として用いられているものだ。

 そんななか、本サイトは、NHKのものと思われる衆院選の「情勢調査」を入手した。情報提供者によると、8、9、10日にわたって実施した調査の結果だというが、そこには、おそるべき数字が並んでいた。

自民党......270
希望の党.........50〜59
公明党............35
立憲民主党......30〜36
日本維新の会...16
共産党......24
社民党......2
無所属......20〜25

 ご覧の通り、自民党の一人勝ちである。依然として単独過半数を大きく上回り、国会運営を安定させる絶対安定多数を超える数字だ。改選前と比べれば14議席減だが、今回の選挙で定数が475から465へと10議席減ることを考慮しても、間違いなく大勝と言える。自民党内からも批判の声はあがらず、安倍総裁体制は完全に勢いを取り戻すだろう。

 さらに、連立を組む公明党は現状維持で、自公だけで憲法改正の発議要件3分の2(310議席)に肉薄。そこに維新や無所属の改憲勢力が足並みをそろえれば、3分の2はゆうに超えることになる。

 一方、希望の党は明らかな惨敗だ。230人以上の候補者を立て、その4分の1も議席を取れなかったとなれば、小池百合子代表や党中枢の責任問題が噴出するだろう。

 実は、すでに先週末には、自民党による独自情勢調査の数字がマスコミのなかで出回っており、それによれば、自民は40議席以上失い、希望の党は100議席近く獲得するとされていた。ところがNHKの情勢調査では、自民はほとんどダメージなく、逆に希望の党が全然議席を取れないという結果がでたわけだ。自民独自調査とNHK調査の数字を比べてみれば一目瞭然だが、これは希望の党が獲得するとされた議席のほとんどが、自民に流れていったかたちだ。

「先週末の自民党の情勢調査では、党内を引き締めるため、わざと厳しく見積もったと言われています。おそらく、自党を少なめにして、そのぶんを希望に上乗せした、ということではないでしょうか」(永田町関係者)

 実際、自民党圧勝の結果をはじき出しているのは、NHKだけではない。共同通信も週末に情勢調査を行なっており、こちらは詳しい数字は入手できていないが、なんと自民党単独で290を超える可能性もあるとの結果が出たといわれている。

 まさに、小池劇場に踊らされ、安倍批判をまともにやらなかったこの間のマスコミ報道が招いた結果と言えそうだが、しかし、恐ろしいのは選挙結果が情勢調査どおりになったあとの展開だ。

 まず、民進党の希望の党への合流によって改憲に反対する勢力が一気に減ったことは指摘されていたが、このうえに自民党と公明党が圧勝すれば、改憲勢力は8割を超えることになる。立憲民主党や共産党は健闘しているが、リベラル護憲勢力は完全に端っこに追いやられてしまうだろう。

 そして、惨敗した小池百合子と希望の党は、選挙後、自分たちの存在感を示すために、安倍自民党の改憲シナリオに積極的に協力していくはずだ。

 だが、選挙戦はまだ序盤だ。マスコミは選挙公示期間中というのを理由に一切の政権批判を封じるだろうが、今はネットがある。悪夢のような改憲シナリオを止めるためにも、最後の最後まで安倍政権の問題点を批判していく必要がある。