コタツ線そっくりの「スマホ充電ケーブル」について、ハンドメイダーの唐繰屋(からくりや)九太郎さんに取材した。

手作りの「スマホ充電ケーブル」が話題に

岐阜県在住のハンドメイダー、兼九商店の唐繰屋九太郎さんの作る「コタツ線iPhone・Android充電専用ケーブル」が大人気となっている。

唐繰屋九太郎@兼九商店/Twitter

一見すると昭和の香り漂う懐かしいコタツ線だが、実は充電ケーブル。スライド操作する「入・切スイッチ」も使用可能だ。

同商品はネット上で「懐かしくて新しい」「ばぁちゃん家にあるコタツケーブルそのまんま」「発想が凄すぎ」「ツボ」「ハンドメイドもここまで来ると芸術の域」「欲しい」と話題に。予約が殺到し現在は販売を一時停止している。

お父さんが大工、小学生の頃から手作り

唐繰屋九太郎さんの本業は建具店で、ハンドメイド作品は仕事からの帰宅後と休日に製作しているという。

--いつ・どのような経緯でハンドメイドを始めたのですか?

ハンドメイドは、広義では小学生の頃からですね。親父が大工で、家の裏に作業場がありましたので、端材でおもちゃ箱も自作してました(笑)

その後、電子工作にハマりまして、拾ったラジオ分解して部品集めたり。販売用に製作を始めたのは、このコタツ線が初めてです。

▼飼い猫うーちゃん。小屋で作業をしている際に、たまに屋根に乗っかっているという。

提供:兼九商店

当初、販売する予定は無かった

--同作品を発案したキッカケは?

コタツの線でエレキギターのコードを作ったのを、Twitterで見かけたんです。

そのまま忘れていたんですが、Twitterでつながった漬物屋さんとやり取りしてる時に、コタツ線の話が出まして、「あの線で何か作りたいな」と思って。充電線ならUSBコネクタハンダ付けすればいいか。そんなノリです。

販売する気は毛頭なかったのですが、Twitterのネタとして作ったものが意外に反響大きく。「欲しいー」という声もありましたので、じゃ販売してもいいかなと。本業の建具もヒマでしたし。

唐繰屋九太郎@兼九商店/Twitter

「本物の質感」にこだわり

--こだわった点は?

「本物の質感」ですかね。なにせ本物のこたつ用のパーツで構成してますので。

これだけブレイクすると、企業さんが似たものを出してくるかもしれませんが、量産とかコストダウンすると失われる物があると思うんです。

耐熱性要らないのでコネクタの材質変えたり、金型起こして専用のコネクタ作ったり。でも、それやっちゃうと本物ではなくなりますよね。あとiPhone用のlightning仕様については、MFi(アップル社認証品)コネクタを採用してます。

--種類は?

現在、iPhone用のlightning仕様とAndroid用のmicroUSBの2機種ですね。

Android用USB type-C仕様のリクエストもありますので、開発予定です。

提供:兼九商店

注文が週1〜3本→1日100件に急増

--反響を教えてください。

世界一和室が似合うケーブルとか、丈夫そうとか、ゴツいけど面白いとか。女性のお客様には「可愛いー」と言って頂いたり。これは意外な反響でしたね。

注文状況ですが、つい最近までは週1〜3本くらいでした。ある日突然ブレイクしまして、1日で100件近いご予約・お問い合わせを頂きまして…予約の受付を終了せざるを得ない状況です。

今後も、予約の受付は難しいと思います。在庫品のみの販売とさせてください。再販は11月後半から12月頃を目指しています。

唐繰屋九太郎@兼九商店/Twitter

本業を活かし、木工の技術を使った商品を

--ハンドメイドに込める思いを教えてください。

本業は建具屋なんですが、住宅設備メーカー向けのドアを作っているので、職人の一品物というより工業製品の性格なんです。

図面通りの製品。安定した品質。コストダウンも重要な要素。それはそれでいいんですが、それでは出ないものもあると思うんです。

コタツ線充電ケーブルも工業製品にしてしまうと本物ではなくなると思うんです。プラグに”Panasonic”の刻印があって、元々あった穴をシール材で埋めてあるのは、本物のコタツ用だから。

唐繰屋九太郎@兼九商店/Twitter

今後は、コタツ線以外の充電ケーブルや本業の木工技術を使った作品も考えているという。