新函館北斗駅に停車する北海道新幹線。

写真拡大

 新青森駅から新函館北斗駅間が2016年に開業した北海道新幹線は、2031年の札幌延伸にむけて協議・調整が行われている。新幹線「札幌駅」のホーム位置については、北海道旅客鉄道(JR北海道)、鉄道建設・運輸施設整備支援機構(機構)、北海道、札幌市の4者により数年にわたり検討されてきたが、今回、「北五条・手稲通」の地下に設置する案が再浮上していることがわかった。日経新聞などが報じている。

【こちらも】北海道新幹線開業でJR北海道が約100億円の赤字決算に

 新幹線・札幌駅の位置については、2012年に認可された工事実施計画では「札幌駅の一部在来線ホームを移設し、併設駅として新幹線駅を設置する」とされていた。しかし、その後、JR北海道は在来線の発着本数が削減されることを理由に、この認可案だけでなく、駅の東側や西側、地下に新幹線ホームを設置する案の検討を開始したことで、波紋を呼んだ経緯がある。

 2015年12月、札幌市議会は認可案を前提に行っている都市計画に多大な影響を与えるとともに、乗客の利便性確保の面からも認可案のとおり新幹線ホームを併設するよう求める決議案を採択し、JR北海道に提出した。それにより、利便性に問題がある地下案はいったん検討対象から外れ、JR北海道の主張する札幌駅東側に新幹線ホームを設置する案と、機構の主張する認可案の2つに絞り込んで、協議が行われてきた。

 2016年9月、JR北海道は正式に札幌駅東側から創成川にかけて約240メートルのホームを建設する案を関係者に提示したが、駐車場ビルの解体と隣接するJRタワーの耐震補強工事が必要となるため、結論は持ち越しとなっていた。また、機構が提案する認可案についても、近隣の駅の設備を増強する等して、削減される在来線の発着本数を可能な限り削減しない方向で検討が進められていたが、引き込み線の設置や高架橋の大規模改修で、想定以上の難工事となることが判明していた。

 2案ともに膠着状態となるなか、再度浮上したのが地下案。新幹線がトンネルに入る小樽市からそのまま地上に出ることなく、札幌駅に直結する。これにより、在来線への影響は避けられる見込みである。現在、「北五条・手稲通」には札幌市営地下鉄東豊線のさっぽろ駅があるが、この地下鉄駅の下に配置する設計となる見通しという。在来線が発着するJR札幌駅と地下鉄さっぽろ駅の間は、直線距離で300メートルほどである。今後、乗換客の利便性向上や建設費回収などの観点から、さらに検討が進んでいくものとみられる。