香川が収穫といった“あの場面”とは? 写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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[キリンチャレンジカップ2017]日本 3-3 ハイチ/10月10日/日産スタジアム
 
 後半途中から出場しても、香川は流れを変えることができなかった。「連動性が生まれなかった」という彼自身のコメントからも、それは窺えるだろう。しかし、まるでダメだったかと言えば、そうではない。
 
 ヴァイッド・ハリルホジッチ監督が「過去最悪の試合」と言ったハイチ戦でも、香川はある収穫を口にした。「あの場面が唯一、攻撃のリズムがドーンと乗った」と。
 
 「あの場面」とは、日本の3点目のゴールシーンだ。
 
 センターサークル付近の井手口陽介から縦パスを受けた原口元気がドリブルで仕掛ける。そこから左サイドに展開したボールを、SBの車屋紳太郎が絶妙なトラップからドリブルでエリア内に持ち込み、左足でゴール前に送ると、それに反応した右SBの酒井高徳が左足のインサイドキックで蹴り込んだ。最後は香川がチョンと触ってコースを変えてネットを揺らしたこの一連の流れを振り返って、背番号10は「攻撃のリズムがドーンと乗った」と言ったのである。
 
 香川曰く、ああしたチャンスが生まれたポイントのひとつは「両サイドバックがリスクを冒して高い位置を取っていた」ことだった。実際、原口が井手口からパスを受けた時点で、両サイドバック(酒井高と車屋)はFWの大迫勇也や武藤嘉紀と同じに位置にいた。要するに、4トップ状態だったわけだ。
 
 この時、ハイチの守備陣はボールを追うのが精いっぱい。車屋が左サイドからグラウンダーのクロスをゴール前に送るタイミングでは2〜3人がボールウォッチャーになっていた。それだけ、日本の攻撃がスピーディだったということだ。
 
 もちろん、あの時間帯で1点のビハインドがあったからこそ生まれたシチュエーションだが、香川はあのようなチャンスをもっと作るべきだと主張していた。果たして、11月、ブラジルやベルギーという格上と戦うテストマッチでも、そのような攻撃を仕掛けられるだろうか。香川がキーマンのひとりになることだけは間違いない。
 
取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)