オーストリアのツェルアムゼーで、女性に顔を見せるよう要求する警察官(2017年10月1日撮影)。(c)AFP=時事/AFPBB News

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【AFP=時事】イスラム教徒の女性が着用するベールをはじめ、顔を覆うかぶり物の着用禁止令が施行されたばかりのオーストリアで、法律の対象範囲が不明瞭なために混乱が生じている。

 政府は、イスラム教徒の女性が着用する全身を覆う衣服「ブルカ」や顔を覆うベール「ニカブ」を公共の場で着用することを禁じる法律を10月1日に施行。しかし、差別として訴訟が起きるのを避けるため、顔を覆うあらゆる衣類の着用も同時に禁止した。

 政府のガイドラインには、マスクや文化的なイベントにおける仮装用衣装、医療用マスクなど職業上着用するもの、寒い日のスカーフといった除外対象が多数列挙されている。

 しかしコンピューター販売チェーンのマックシャーク(McShark)のマスコットのサメの着ぐるみが禁止の対象とされたり、警察官らがスカーフを身に着けて自転車に乗っていた少女を停止させたりするなど、当局にも混乱がみられる。

 内務省の報道官は「議会は(スカーフの着用が認められる)気温を定めなかった」と述べた。また、最高150ユーロ(約2万円)の罰金をこれまでに科された人の総数についても、統計がとられておらず不明だという。

 オーストリアでは顔全体を覆うベールを着用している人は珍しいが、着用禁止令は連立を組む与党2党が反移民を掲げる極右の自由党(FPOe)の支持者増加を食い止める狙いがあるとみられる。

 世論調査によると、自由党は15日に行われる総選挙で25%あまりの票を獲得するとみられており、セバスティアン・クルツ(Sebastian Kurz)外相率いる中道右派の国民党(OeVP)と連立を組み、従属的パートナーとなる可能性もある。
【翻訳編集】AFPBB News