中国では10月1日の国慶節(建国記念日)は毎年長期連休となることが一般的で、2017年は10月1日から8日までの8連休となっている。(イメージ写真提供:CNSPHOTO)

写真拡大

 中国では10月1日の国慶節(建国記念日)は毎年長期連休となることが一般的で、2017年は10月1日から8日までの8連休となっている。多くの中国人観光客が日本に押し寄せたが、中国メディアの今日頭条はこのほど、この国慶節で日本を訪れた中国人の見解として、いつもは中国人がマナー違反などでメンツを潰してばかりだったが、中国人だって「助け合いの精神を持っている」と論じる記事を掲載した。

 記事によれば、ある中国人旅行客が日本旅行中に福岡空港の免税店付近のトイレに財布を置き忘れてしまったという。多くの中国人で込み合う空港内で、財布を置き忘れたことに気付いた中国人だが、探しに戻った時にはすでに財布はなくなっていた。財布の中には現金のほか、クレジットカードやパスポートのコピーも入っていたというが、日本旅行はまだ続く予定だったため、旅行の道中について「気が気でなかった」という。

 この中国人は免税フロアの中国人スタッフに相談し、トランシーバーを使って他のスタッフと情報を共有してもらったというが、それでも財布が見つかったという良い知らせはなく、スタッフからは「見つかる可能性は低い」という反応があったと紹介。さらに一部のスタッフが「中国人旅行客が多いから。もし免税店の客が日本人だったら見つかると思う」と話す声も聞いたという。

 しかし事態は思わぬ方に展開した。この中国人が失くした財布の特徴や中身をツアーガイドに伝え、ガイドが観光客たちに一斉に情報を発信したところ、5分後に財布の発見者がツアー参加者の中から現れ、無事に戻ってきたのだという。「戻ってこないであろう財布」が、中国人の助けによって戻って来たことについて、「中国人が多くても財布は戻ってくる」とつづった。

 記事は、中国人旅行客のマナーの悪さが海外で批判されることは多いが、旅行先で助け合いの行動を取る中国人もいるのだとし、「海外を旅行するからには、1人1人が祖国の代表なのだ」という意識を持てば、いずれ中国人に対する偏見を払拭できるはずだと主張している。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:CNSPHOTO)