ブーツに替わる秋こそ「水虫」に警戒(depositphotos.com)

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 水虫は「白癬菌」というカビによって起こる皮膚の疾患だ。カビだから、高温多湿の環境が大好き。これまでは暑い夏にこそ猛威を振るうものだった。

 しかし最近は、特に女性の場合、サンダルを履く夏よりも、おしゃれなブーツや革靴を履くようになる秋冬のほうが水虫に感染しやすいといえる。実は、ブーツの中のように、高温になりやすく汗で湿った環境こそ、水虫の繁殖にもってこいなのだ。

 水虫にとってはまさに天国。特に女性の場合、秋こそ水虫に注意したい季節といえる。

 さらに、夏に水虫になっている人にとって、秋は治療のチャンスともいえる。白癬菌は夏に活発化するが、秋になって気温が下がってくると活動がにぶくなる。

 水虫の治療は、端的にいうと「白癬菌が菌糸を伸ばすスピードと、患部の皮膚が入れ替わるスピードとの戦い」ともいえる。活動が鈍る秋冬のほうが、治療には向いているわけだ。

足の裏は皮膚が厚くて治りにくい

 白癬菌は、皮膚の角質層にある「ケラチン」というタンパク質を栄養源に繁殖するので、皮膚ならどこにでも寄生する。頭にできると「シラクモ」、顔にできると「ハタケ」、股間にできると「インキンタムシ」、足にできると「水虫」、爪にできると「爪白癬」と、呼び名もさまざまだが、皆同じだ。

 しかし、水虫はとても根治が難しいといわれるのに、タムシやシラクモ、インキンタムシは、比較的にすぐ治るのはどうしてなのだろう? 水虫だけ薬の効き目が悪いということではない。どの薬も、白癬菌に対する効き目は同じ。ではなぜだろう?

 それは、患部の皮膚の厚さの違いによる。足の裏は皮膚が厚いため、治りやすさに差が出てしまうわけだ。顔や内股などは比較的皮膚が薄いため治療が容易だが、足、特に足の裏の皮膚はとても分厚くなっている。

 全体重がかかっているわけだから、当然といえば当然。皮膚が厚く硬いので、薬が浸透しにくいというわけだ。

 皮膚が薄ければ薬が届くのに、厚いと薬が深くまで浸透せず、治りにくくなる。発想の転換で、一時的に皮膚を薄くできれば、簡単に水虫退治もできるのではないだろうか。

 バケツに酢を入れ、そこに足を浸して水虫を退治するという民間療法があったが、これは酢で皮膚がぼろぼろになり、薄くなることで、一定の効果があるのかもしれない。

外出して家に帰ったら「うがい」「手洗い」「足洗い」

 それはさておき、秋になってサンダルからブーツへと履物が代わることで、水虫に感染しやすくなる一方で、水虫の活動は夏に比べて不活発化するので、水虫治療には秋はもってこいの季節だといった。

 では、具体的に、どうやって防ぎ治せばいいのだろう?

 まず、お気に入りの一足だけを毎日履くのはやめよう。できたら、3足ほどの靴を、毎日履き替えることで、靴の中がしっかり乾燥するようにしたい。靴の中に乾燥剤を入れるのもいい。

 裸足で靴を履くのも、止めたほうがいい。ストッキングだけで靴を履くのもだめで、吸水性の高い靴下をはくようにしたい。それもこれも、水虫に感染しやすい足の裏や足指の間を、水虫の好きな高温多湿の環境にしないためだ。

 皆さんは、家に帰ったら、手を洗ってうがいをするのではないだろうか。さらに化粧を落として顔も洗うだろう。今日からは、それに加えて足の裏も石鹸で丁寧に洗ってほしい。足についた白癬菌を洗い流すためだ。

 1日に1回、足の裏を洗うことで、水虫を予防することができる。もちろん、洗い終わったら、よく拭いて乾燥させよう。

 もしも水虫になっているなら、洗った後で、薬を毎日塗る。そして、かゆみが消えても、3カ月間は薬を塗り続ける。皮膚の奥深いところに白癬菌を残さないためだ。再発させないためだ。

 今年の秋からは、水虫と無縁の毎日を過ごそう。
(文=編集部)