ハリルJの中盤で修正力を示せなかった遠藤 失点招いた「下がり過ぎた」ポジショニング

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浦和とは異なるアンカーでのプレー 「ハッキリできていないところがあった」

 日本代表MF遠藤航(浦和)は、3-3で引き分けた10日の国際親善試合ハイチ戦を終えると、「勝ち切りたかったのが正直なところ」とフル出場したゲームを振り返った。

 遠藤は所属の浦和ではセンターバックかサイドバックでプレーしているが、今回の試合ではアンカーを務めた。しかし、中盤のコントロールが上手くいかなかったことを試合後に振り返っている。

「前から行くのか、ブロックを作るのかはハッキリできていないところがあった。相手はセンターバックがボールを持った時に、ボランチが引いてボールを受けて、そこに(杉本)健勇が1人だった。インサイドハーフの2枚が前に行くのか、1回下がってブロックを作って、出てきたところに行くのかという判断をした方が良かった面があって、特に2-0になってからは自分たちから間延びする方向にしてしまった」

 また、相手1トップのFWナゾンに対する対応でも後手を踏んだ。遠藤は「相手のトップが自分たちのセンターバックより少し落ちていて、自分もそこを見過ぎてしまった」と話し、後方を気にするあまり前との距離が開く状況を作ってしまった。それが如実に表れてしまったのが、2-0でリードした状況で喫した1失点目だ。

 この時、ハイチのビルドアップに対してMF小林祐希(ヘーレンフェーン)が前に詰め、そこにできたスペースに入り込んで縦パスを受けたナゾンにDF昌子源(鹿島)が寄せ切れず、トラップ際を狙った遠藤もかわされて右サイドへの長いドリブルを許した。ナゾンは右45度付近からゴール前へスルーパスを出すと、戻った昌子とDF酒井高徳(ハンブルガーSV)の間でMFラフランスに受けられ、GK東口順昭(G大阪)との1対1を決められて失点した。

 この失点シーンでも、前との距離が開いたポジショニングが影響を与えたという。

長谷部との差を見せつけられる格好に…

「自分がもう少し高い位置を取っていれば、縦パスに対してプレスバックしながらボールを奪えたと思うんですけど、下がり過ぎていた分、自分の前のところを使われて遅れてしまった。そこで自分が奪い切らなくてはいけなかった」

 小林も「1失点目は無理に食いついて、後ろのスペースを使われた。無駄な動きをしてしまった」と振り返ったが、3人の中盤が間延びすると敵陣深くからの攻撃であっても危険な形を招くという、典型的な例になった。その3枚の中央に入っていたのが遠藤だけに、個の守備力だけでなく、ゲームの中での修正力を発揮することも求められていたはずだ。

 遠藤が務めたアンカーは、今回は招集外となっているものの、チーム内で絶対的な信頼を得ている主将のMF長谷部誠(フランクフルト)が定位置をつかんでいるポジション。それだけに周囲への影響力や修正力という点でも、差を見せつけられる結果になったと言えるのかもしれない。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images