ウルグアイ(右下)、アルゼンチン(左上)、コロンビア(左下)、チリ(右上)、強豪4か国の行方が大きな注目となった最終節の結果は……。 (C) Getty Images

写真拡大

 1位のブラジルを除き、最終節まで世界への切符がどの国のものとなるのかが分からないという、稀に見る大混戦となったロシア・ワールドカップの南米予選。その激闘を勝ち抜き、ロシア行きのチケット、そしてニュージーランドとの大陸間プレーオフへの出場権を手にした5チームがようやく決定した。

 最大の注目となったのは、これまで11大会連続で本大会行きを決めてきたアルゼンチン。前節のペルー戦でスコアレスドローに終わったため、今節は引き分け以下に終われば、48年ぶりに予選で姿を消す可能性に晒されていたからだ。
 
 そんな崖っぷちのアルビセレステ(アルゼンチンの愛称)は、エクアドルと敵地で対戦し、開始1分で失点を喫する苦しい展開を強いられるも、この苦境を大エースのリオネル・メッシが跳ね返す。
 
 キャプテンマークを巻いた背番号10は、12分と20分にネットを揺らして試合を逆転させると、62分には左足のループシュートでハットトリックを達成したのだ。
 
 勝ち越したアルゼンチンはその後、エクアドルの攻撃を危なげなく跳ね返し、待ちに待った勝利に快哉を叫んだ。

 他会場では、3位チリが首位ブラジルと、5位のペルーは4位のコロンビアと激突した。
 
 敵地に乗り込んだチリは、緊張からか硬さが目立ち、ブラジルに終始、主導権を握られる展開に……。すると、55分にパウリーニョ、57分にガブリエウ・ジェズスに決められ、さらに後半アディショナルタイムにG・ジェズスにダメ押し点を献上して、万事休した。
 
 一方、ペルーとコロンビアは一進一退の攻防を展開し、56分にコロンビアがハメス・ロドリゲスの一撃で先手を取るも、76分にはペルーが主砲パオロ・ゲレーロの一発で同点とする。死力を尽くした対決は、そのまま1-1で終了した。
 
 この結果、ワールドカップ出場圏外だった6位のアルゼンチンが3位に浮上し、12大会連続の本大会行きを勝ち取ることに成功した。4位にはコロンビアが滑り込み、ペルーは5位で大陸間プレーオフに回ることに。そして、コパ・アメリカ王者のチリが6位に転落し、予選敗退の憂き目に遭った。
 
 そのほか、ルイス・スアレスとエディンソン・カバーニのゴールなどでボリビアに4-2と逆転勝利を収めたウルグアイは2位に入り、3大会連続でのワールドカップ出場を決めている。
 
 以下は、南米予選最終節のスコアと順位表だ。
 
ブラジル 3-0 チリ
エクアドル 1-3 アルゼンチン
ウルグアイ 4-2 ボリビア
ペルー 1-1 コロンビア
パラグアイ 0-1 ベネズエラ
 
◇南米予選最終順位
1位 ブラジル(41)
2位 ウルグアイ(31)
3位 アルゼンチン(28)
4位 コロンビア(27)
5位 ペルー(26)
6位 チリ(26)
7位 パラグアイ(24)
8位 エクアドル(20)
9位 ボリビア(14)
10位 ベネズエラ(12)
※括弧内は勝点

◇本大会出場国
開催国:ロシア
欧州:ベルギー、イングランド、ドイツ、スペイン、ポーランド、セルビア、アイスランド、フランス、ポルトガル
南米:ブラジル、ウルグアイ、アルゼンチン、コロンビア
北中米カリブ:メキシコ、コスタリカ、パナマ
アフリカ:ナイジェリア、エジプト
アジア:イラン、日本、韓国、サウジアラビア