「必要な痛み」と「不必要な痛み」ってどういうこと?

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痛みは、体の危険や異常を知らせる警告信号の役割を持っています。 痛みの警告信号によって、病院に行ったり、薬をのんだり、安静にしたりと、その痛みの原因になっている病気を治すための行動をとることができるのです。 今回は、なぜ痛みが体にとって必要なのかをご説明いたします。

もしも「痛み」がなかったら、どうなるでしょう?

とてもめずらしい病気ですが、「無痛無汗症」という病気は痛みを感じず、汗も出ません。そうすると、ケガをしても病気をしても痛みを感じることがないため、体の異変に気づくことができません。 病院に行けば「感染しないように抗生物質をのみましょう」「消毒しましょう」などといった治療を受けることができるのに、痛くないのでそのままにしてしまい、感染がひどくなったり、ケガをした部分が腐ったりしてしまいます。

体からの危険信号は「必要な痛み」

ケガをしたときや手術後の痛み、つまり、組織が損傷されたときにでる痛みも「必要な痛み」です。 組織が損傷すると、体はその部分を修復させようとして、まずはじめに炎症が起きます。その炎症が、刺激を感じる皮膚の器官を刺激することで、痛みの信号が起こります。その信号が脊髄に伝わり、脳に到達することで痛みを感じることになるのです。

このように、人が危険から身を守ったり、病気を治そうという行動を起こしたりすることで、体の安全を保つという役割を持っている痛みは「必要な痛み」です。また、傷や炎症など、見た目にも変化があってわかりやすいことが多いので、「それだけひどいケガなら、かなり痛いでしょう」とまわりの人から理解してもらいやすい痛みといえます。

「痛み」があるから早めの対処が可能

たとえば、火に手を近づけると、熱さを通りすぎて痛みを感じます。「あつっ!」と反射的に手を火から遠ざけるので、やけどを避けることができます。また、高いところから落ちたとき、腕に激痛があれば、病院に行って検査をすることで捻挫や骨折などの異常を見つけることができるでしょう。 こういった痛みは、痛みの原因となっている組織の損傷が治ればしだいに軽くなり、やがてなくなってしまいます。  

治ったはずなのに痛みだけが残ってしまう……

きちんと治療を受けて病気やケガが治ったのに、痛みだけが残ってしまうことがあります。神経が傷ついたり、締めつけられたりしたときに起こる痛みです。 痛みが続いているのに、何回病院に行って検査を受けても異常が見つからず、「病気は治っているので痛みはそのうち消えるでしょう」といわれることになります。痛みどめ(消炎鎮痛薬)などを処方されることがありますが、このような薬では痛みはおさまりません。

「不必要な痛み」とは?

いつまでも痛みが軽くならないからと別の病院に行って、改めて検査をやり直しても、同じ結果になります。異常は見つからず、「精神的なもの」「気のせい」などと片づけられてしまうことがほとんどだと思います。 このように、本来の警告としての役割を果たしたあとにも残っている痛み、つまり、ただ痛いだけで役に立たない痛みが「不必要な痛み」です。
 
「不必要な痛み」は、長引いて慢性化し、慢性疼痛になることもあります。本来の警告としての役割を果たしたあとに残っている痛み、ただ痛いだけの「不必要な痛み」は、傷や炎症など組織の損傷は治っているので、見た目には異常がわかりづらく、第三者から理解してもらいづらい痛みといえます。  

まとめ

いかがでしたか?
痛みは、体にとって危険や異常を知らせる警告信号です。
痛みを感じることで、体のどこかに異常があることがわかり、その痛みの原因になっている病気を治すための行動をとることができるのです。また、「痛み」には「必要な痛み」と「不必要な痛み」がありました。自分の体だからこそ、そんな「痛み」の声を聞き日々の健康に生かしたいですね。

参考書籍:河手眞理子著『「痛みの名医」が教える 体の痛みがスッキリ消える』(二見書房)

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