ハイチ戦後のハリルホジッチ監督は、怒りよりも困惑という表情だった。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

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[キリンチャレンジカップ2017]日本 3-3 ハイチ/10月10日/日産スタジアム
 
 引き分けるのがやっとだったハイチ戦後の記者会見。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は、怒りを通り越して呆れや疑問が頭を駆け巡っているかのような表情だった。
 
「私が就任してから最悪の試合」
 
「長年監督をやってきて、ここまで内容が悪い試合は見たことがない」
 
「1失点してからなぜかすべてが止まってしまった」
 
「(11月にテストマッチを戦う)ブラジルが相手なら10失点していただろう」
 
 こんな厳しい言葉が続く中、さらに「気が緩んだ選手、守備に帰らない選手がいた。メンタル面で脆弱さを見せたことがもっとも心配だ」と嘆いた。
 
 ハイチ戦は4日前のニュージーランド戦でキャプテンマークを巻いた吉田麻也をはじめ、香川真司、大迫勇也、山口蛍、川島永嗣、酒井宏樹などの主力をベンチに置いて、東口順昭、遠藤航、小林祐希、杉本健勇らA代表経験の浅い選手をスタメンに抜擢。後半頭から車屋紳太郎に初キャップを踏ませてもいる。「もちろん結果だけを追求するなら、今日のようなメンバーにはしなかった」と振り返る、文字通りの“テストゲーム”だった。
 
「色々な選手を試して、クオリティーや反応が見たかったから、この2試合で20選手ほどを使った。主力が怪我をしたときのために、若い選手にチャンスを与える必要があったんだ。だから、もちろんビッグマッチを期待していたわけじゃないが、それでも今日の出来は受け入れられない。チャンスを与えたのだから、もっと良い部分を見せてほしかった」
 
 そう憤慨したハリルホジッチ監督は、報道陣から「では、今日のメンバーはロシア・ワールドカップ行きが難しくなったのか?」という質問が飛ぶと、こう返した。
 
「もちろん、6月まで色々なことがある。(本大会登録の)23人を絞るまでまだ時間はある。1試合だけで判断するつもりはない。しかし、もし今日のようなパフォーマンスが続けば、23人全員を入れ替える必要がある」
 
 もちろん、この言葉大袈裟な表現ではあるだろう。しかし、悪かった選手とともに良かった選手の名前がひとりも挙がらないほど、ハリルホジッチ監督にとってハイチ戦はフラストレーションの溜まる試合だったのも事実。ブラジル、ベルギーと戦う11月シリーズでは、選手たちの奮起に期待したい。
 
取材・文:白鳥大知(サッカーダイジェストWEB)

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