ドジャース・前田健太【写真:Getty Images】

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1回無安打2Kの快投でキャリア初ホールド「気持ちも入っていた」

 ドジャースの前田健太投手は9日(日本時間10日)、ダイヤモンドバックスとの地区シリーズ第3戦で2点リードの8回に4番手で登板し、1回無安打無失点2奪三振の快投を見せた。ドジャースは3-1で勝利し、2年連続のリーグ優勝決定シリーズ進出が決定。広島時代も含めてキャリア初となるホールドを記録した右腕は、出番を直前に告げられたにもかかわらず快投。救援に「だいぶ慣れてきました」と高い適応能力を見せ続けている。

 好投していたダルビッシュが、6回先頭の代打ウォーカーに死球を与えて降板。その後、シングラーニ、モローと救援陣がマウンドに上がっていくのを見て、ブルペンの前田も覚悟を決めていた。

「モローだったり、投手がどんどん投げていったので、もしかしたらあるかなとは思ってました」

「すごく気持ちも入ってましたし、特に今日はダルさんが先発した試合だったので、負けられないと思ってましたし、気持ちも入ってたんで、それがボールに伝わったのかなと思います」

 実は1度肩を作り、登板がなくなり、そして8回の攻撃中に再び告げられて準備を始めていた。それでも、問題はなし。「もうだいぶ慣れてきましたし、スイッチは入りました」。3-1と2点リードのしびれる場面で、最速95マイル(約153キロ)の直球に切れ味抜群のスライダーを交え、無安打無失点2奪三振。最強守護神ジャンセンにつなぐ“セットアッパー“として、完璧な仕事ぶりだった。

先発投手としての“思い”はあるも…「とにかくチームの勝利に貢献したい」

「前回(第2戦)は5回でしたけど、今回は8回だったので、随分、緊張感もありました。しっかり8回は投げきりたいと思ってましたし、できるだけケンリー(ジャンセン)を途中から出さないようとは思って投げました。基本的にはめちゃくちゃ長いイニングを投げることは少ないと思うんで、基本1イニングと思って力入れて投げてます」

 もちろん、先発投手としての“思い”もある。ただ、「今はポストシーズンということで、とにかくチームの勝利に貢献したいという思いが強いので、そういう意味で、こうやって勝ち試合に投げさせてもらってチームに貢献できたということは、選手としてすごくうれしいと思います」と言う。そして、チームにとっては“セットアッパー”前田が悲願の世界一へ向けて最後のピースとなりつつある。

「誰も投げると思ってなかったと思うんですけど、いい場面で使ってもらって、いい結果が出て、今日(地区シリーズ突破を)決めることができたんで、いい1日です」

 救援投手としての充実感をにじませ、背番号18は次のステージでの登板に目を向けていた。(Full-Count編集部)