国際社会の経済制裁でがんじがらめとなっている北朝鮮当局が、この期に及んで中国の業者からの投資を誘致しようとしている。当然のことながら、業者は非常に警戒している。米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)が報じた。

最近、1週間のスケジュールで平壌と黄海道(ファンヘド)一帯にある石材の産地を視察してきた中国の業者によると、北朝鮮当局は、「鉱山への設備投資さえしてくれれば、生産に必要な労働力などは自分たちが責任を持つ、生産品は折半する」というかなり魅力的な条件を提示してきたという。

豊富な資源の「魔力」

当局はさらに、石材は国連安全保障理事会で採択された対北朝鮮制裁決議の禁輸品目に含まれていないと主張した。しかしこの業者は、北朝鮮側の説明を鵜呑みにして投資したら後で失敗することになりかねないと、非常に警戒している。

この業者が、過去に北朝鮮の鉱山に投資した経験を持つ複数の業者に聞いてみたところ、制裁対象になる、ならないで意見が半分に分かれたという。だからと言って、国連に確認するわけにもいかず悩ましいと述べた。

これに対して、北朝鮮から魚のエサとなる「ゴカイ」を輸入していた貿易商は、「中国の税関当局はゴカイですら海産物扱いにして輸入を禁止したことを考えると、大理石や花崗岩などの石材は当然制裁対象ではないか」「外貨不足で焦っている北朝鮮当局の言うことを信じて投資するのは愚行」と述べた。

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この貿易商は、黄海道にある蛇紋石(高級大理石の一種)鉱山に投資したが、途中で撤収を余儀なくされるという痛い経験をしている。

そのため制裁対象かどうか以前に、北朝鮮の鉱山に投資するにあたっては慎重を期す必要があると強調した。

鉱石は地中に埋まっているものなので、想定外の問題が発生しがちで、資金を投じ続けなければならないが、途中で資金が足りなくなって撤収するのがオチだ、北朝鮮の鉱山への投資を回収できた人は10人に2人しかいない、などとも説明している。

つまり、北朝鮮の鉱山に投資して儲けた人は数えるほどしかいないということだ。

中国商務省は今年8月、国連安保理の制裁決議2371号を受けて北朝鮮産の鉄、鉄鉱石、鉛、鉛鉱石、海産物の輸入を全面禁止したが、この通告を文字通りに解釈するならば、大理石や花崗岩は制裁対象ではない。

しかし、中国当局には明確な法的根拠、公式の通達以上に厳しい規制を行なう傾向が見られる。仮に大理石や花崗岩が制裁対象ではないとしても、中国商務省が出した北朝鮮との合弁企業を来年1月までに閉鎖せよとの通告に違反するため、どのみち制裁対象となる。

北朝鮮に投資して利益を持ち出せなくなる事例は、国際社会の制裁が強化される以前から多数存在する。

事業が継続できればマシな方で、資産を当局に没収される事例すらある。

それでも北朝鮮の鉱山に投資しようとする人がいなくならないのは、北朝鮮の豊富な地下資源が放つ「魔力」のなせる業なのかもしれない。

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