家電女優・奈津子×安蔵靖志の最新家電レポ13選【2017年9月:前編】

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元SDN48で家電アドバイザーの資格も取得し、「家電女優」として活躍の幅を広げる奈津子さんと、AllAbout家電ガイドや家電アドバイザーとしてテレビやラジオ番組、雑誌やWebサイトなどで活動するIT・家電ジャーナリストの安蔵靖志が、最新家電の注目ポイントについて語り合う連載企画。今回は2017年9月に発表された家電製品の中から、“食欲の秋”に向けて続々と登場した調理家電を紹介します。

【SELECT.01】1.2気圧で優しく調理する「煮込み自慢」が予約にも対応

安蔵:象印マホービンの圧力IH鍋「煮込み自慢」の最新モデルが登場しました。前モデルは予約調理も保温機能もなく、後から出たシャープの「ヘルシオ ホットクック」などに比べるとちょっと物足りない部分があったのですが、一気に解消されました。

▲象印マホービンの「煮込み自慢 EL-MB30」(実勢価格3万2300円)

奈津子:新しい煮込み自慢は、「予約機能」と「保温機能」、あと「自動調理機能」が新機能として搭載されましたね。家事の時間は1分1秒でも減らしたいという、仕事が忙しい人にピッタリだと思います。

安蔵:煮込み自慢の前モデルを持っているのですが、これの大きな特徴は「圧力が低い」ことなんです。圧力が高い方が時短になる一方で、煮崩れしやすいという難点もあります。煮込み自慢は煮魚も作りやすいように、あえて低めの圧力設定にしているんです。

奈津子:体験会で試食しましたが、「カボチャの煮付け」は食材本来の素朴な甘みとうま味、食感が上手に引き出されていて実にまろやか。「豚バラ大根」はトロットロの豚肉にひたひたの大根で、まさに「おふくろの味」という印象でした。「味のまろやかさ」と「食材への味のしみ込み具合い」は、他メーカーの電気鍋と比較してもピカイチだと感じました。

▲煮込み自慢の体験会で提供された豚バラ大根

▲「カボチャの煮付けは実にまろやかでした」

安蔵:それは「一定圧力調理」に加えて、象印独自の「可変圧力調理」が大きなポイントですね。加圧と減圧を繰り返すことで、より煮汁を食材にしみ込みやすくするので、大根にもしっかりと味がしみ込むんですよ。

奈津子:ただ、ディスプレイや全体のフォルムなど、デザイン的に若者向けではない感じがします。

安蔵:炊飯器をよりシニア向けにした感じかもしれませんね。

▲煮込み自慢の操作部。一定圧力と可変圧力、温度調理(低温調理)に加えて、無水調理も可能になった。「予約」ボタンを長押しするとクリーニングもできる

【SELECT.02】ヘルシオ ホットクック第3弾は「AI×IoT」に対応!

奈津子:煮込み自慢も新しくなりましたが、シャープからも「ヘルシオ ホットクック」の最新モデル「KN-HW24C」が登場。同社が強力に推進している「AIoT(AI×IoT)」に対応し、画面からメニューを選ぶだけで数多くの料理を手軽に“ほっとくだけで”作れるようになりました。

▲シャープが2017年10月26日に発売する「ヘルシオ ホットクック KN-HW24C」(実勢価格7万5000円前後)

安蔵:これは大きな進化ですね。元々ホットクックの弱点として「メニュー番号を選択しなければならない」というのがありました。これは今回の新・煮込み自慢も同じ弱点を抱えているのですが。

奈津子:レシピブックを見て食材をそろえてセットし、レシピブックに書かれた番号を矢印キーで選んでスタート……という流れですね。

安蔵:そう。基本的に自動で調理をおまかせするための機器であって、圧力鍋のように“道具”として使う機器ではないんです。その点、以前の煮込み自慢は「定圧調理で30分」とか、「80℃で1時間」とか、操作がシンプルなだけに違和感なく調理道具として鍋やフライパンなどと同じように使える印象でした。

▲ホットクックシリーズの大きな特徴が、必要に応じて開閉し、内鍋の中の食材を混ぜ合わせてくれる「まぜ技ユニット」にある

奈津子:使いこなしは難しそうだけど、慣れれば料理が上達しそうですね。

安蔵:そうなんです。その点、ホットクックや新・煮込み自慢の自動調理機能は、「時短」には便利ながら「料理の上達」には向かないという感じです。

奈津子:ホットクックはインターネット経由でレシピをダウンロードして画面を見ながら選べるようになったので、利便性が向上しましたね。

安蔵:そこですよね。「時短」という割には、分かりづらいメニュー番号を選ばなければならないのが不満点でした。でも新モデルでは液晶ディスプレイが精細になって文字も表示できるようになったので、日々使う上でのストレスがなくなりました。使い方を声でお知らせしてくれる機能もあるので、使い勝手はかなり向上していますね。

▲新ホットクックのディスプレイ。高精細になり、画面上でレシピを選べるようになった

奈津子:煮込み自慢は機能が豊富になりましたが、まだ初代ホットクックに追い付いたという感じですか。

安蔵:とはいえ、価格面では大きな魅力です。ホットクックの約7万5000円に対し、煮込み自慢は約3万2000円。半額以下なので、圧力鍋を持っていない人には安全かつ安心して使える調理道具としてもお薦めですよ。

▲「ホットクックで作ったビーフシチュー、おいしかったです!」

【SELECT.03】バルミューダの「ザ・レンジ」はサウンドも含めたデザインが新しい?

安蔵:バルミューダからは、キッチン家電シリーズ第4弾モデルの「バルミューダ ザ・レンジ」が登場しました。

▲バルミューダが2017年12月上旬の出荷を予定している「バルミューダ ザ・レンジ」(直販価格はブラックとホワイトが4万3500円、ステンレスが5万4500円)

奈津子:機能面でのムダを省き、本来の電子レンジのポテンシャルの高さを「再パッケージ化」したと寺尾社長は話していましたね。本体機能は実にシンプルで、過熱水蒸気調理機能もグリル機能(上火調理機能)なども省かれています。発表会で寺尾社長が話していた「皆さん、本当に頻繁にアクアパッツァやパエリア、作りますか?」という一言が印象的でした。確かに、そうそう作らないですよね(笑)。

▲発表会で説明するバルミューダの寺尾玄社長。奥には左からザ・トースター、ザ・ポット、新製品のザ・レンジ、ザ・ゴハンが並んでいる

安蔵:普段使いの電子レンジと、週末の特別な料理を作るためのオーブンがあればいいという割り切りには潔さを感じます。

奈津子:バルミューダのデザインは、キッチンにある包丁おたま、ステンレスのシンクなどになじむように作っていると寺尾社長が話していました。

安蔵:「調理道具」ってことですよね。レストランの厨房などはステンレスが中心なので、3色のうちステンレスモデルはまさにそんな印象を受けました。

奈津子:ザ・トースターもザ・ポットもザ・ゴハンも、日本メーカーの調理家電にありがちな「キッチンから浮いてしまう要素」が全くなく、これが「バルミューダらしさ」の秘密だったのか……と納得しました。

▲ホワイト(直販価格4万3500円)

▲ブラック(同4万3500円)

▲ステンレスだけ直販価格5万4500円と高くなっている

安蔵:デザインという意味では、単純にフォルムや質感、カラーリングだけでなく、LEDを使ったライティング、操作中や調理後の音など、「ユーザー体験」を重視したものづくりですよね。

奈津子:レストランの外構をイメージしたLEDのライティングは、外食のワクワク感を感じさせますね。調理完了を知らせるメロディーは、どことなく懐かしさと親しみを感じる曲調が印象的でした。発表会後に私がインスタグラムで「ストーリー機能」を使って動画をアップしたところ、特に女性からかなりの反響がありました。知人からも直接「これはどこで買えるの!?」というLINEが多数届きましたよ。

安蔵:ギターを軽快にかき鳴らす音がユニークです。こういう遊び心が、バルミューダの人気が急上昇している理由なんでしょうね。

▲本体前面中央にディスプレイを搭載しており、ダイヤルを回すとギターの音とともに表示が変わる

奈津子:個人的には、温め終了後に「ENJOY」とディスプレイに表示されるのもツボでした。人生を楽しむことをたまに忘れていることがあるので、日々の自己啓発にもプラスになりそうです。

【SELECT.04】手を汚さずに料理を作れるブラウン「マルチクイック9」

安蔵:食欲の秋ということで、調理家電が続きます。ブラウンのハンドブレンダー「マルチクイック9」も登場しました。発表会では、サラダやスープ、ハンバーグなどすべてマルチクイック9で作ったコース料理が提供されました。

▲デロンギ・ジャパンが2017年10月1日に発売した「ブラウン マルチクイック9 ハンドブレンダー」

▲左が「つぶす」「混ぜる」「泡立てる」「きざむ」「スライス」「せん切り」「こねる」の7役で使える「MQ9075X」(実勢価格2万5880円)で、右が「つぶす」「混ぜる」「きざむ」「泡立てる」の4役で使える「MQ9035X」(同1万7880円)

奈津子:アボカドのディップにはあの硬いタネごと砕いて使われていました。アボカドの濃厚な味がレモンのさわやかな酸味とあいまってとてもおいしかったです。

▲アボカドのタネまで使って作ったアボカドディップのサラダ

安蔵:マルチクイック9はシャフトが上下に伸縮する「アクティブブレードテクノロジー」を搭載したことで、硬い食材でもあっという間に砕いて均一にかくはんできるようになったそうです。

奈津子:発表会では手も洋服も汚さずにマルチクイック9だけで下ごしらえするというのが印象的でした。かたまり肉やパンなどを使ってハンバーグのタネを作れるだけでなく、余計な手間がかからないので、通常の3分の1ぐらいの時間でできるのが驚きです。これならたくさん作ってしまいそうです。

▲「ハンバーグは手作り感があっておいしかったです」

安蔵:つぶす、混ぜる、きざむ、泡立てる、スライス、千切り、こねるがこの1台でできるというのはコスパがいいですよね。

奈津子:握る力を変えるだけでスピードを調整できる「スマートスピードテクノロジー」も慣れれば使いやすそうですし、やっぱり超強力な刃が特に魅力的に感じました。

▲「実際にスムージー作りも体験しましたが、とても簡単ですし、飛びはねないのがうれしいです」

【SELECT.05】「焼き芋メーカー」やスタンドミキサーも魅力!

安蔵:そのほかに、気になった製品はありましたか?

奈津子:ドウシシャの「焼き芋メーカー Bake Free」というのがユニークでした。調理時間は約40分弱と短くはないですが、試食してみるとホクホクで本当においしかったです。

▲ドウシシャが2017年10月に発売した「焼き芋メーカー Bake Free」(実勢価格8580円)。焼き芋のほか、焼きトウモロコシも作れる

▲約40分かけて焼き芋を焼いたところ

安蔵:確かに、あの味は電子レンジでは再現できないですね。

奈津子:ドウシシャは販売している製品のジャンルが幅広くて、「売れるものは何でも売る!」という独自の概念がすがすがしくて気持ちいいです。芸能界でも一つのことに固執せず、熱い情熱をもって自分のできる限りのことをアピールしていくことがとても大切だと、改めて感じました。

安蔵:ほかにも気になるものはありました?

奈津子:先ほどハンドブレンダーを紹介しましたが、欧米スタイルのフードプロセッサー、キッチンエイド「Artisan Mini(アルチザン ミニ)」も魅力的でした。

▲2017年9月に発売されたキッチンエイドのスタンドミキサー「Artisan Mini(アルチザン ミニ)」(実勢価格7万3980円)

奈津子:洗練されたフォルムにレトロな色合い、見た目がとにかくかわいらしくて、欧米ではキッチンに置いてあるだけでステイタスというのがよく分かる気がしました。ただし収納は結構苦労しそうかなとは思いましたが。

▲6色のカラーバリエーションで展開する

奈津子:国内の調理家電は「時短」もしくは「料理を覚えられる」というアプローチが最近では特に多い気がするのですが、キッチンエイドは比較的「料理好き」な方にターゲティングされているように感じました。

安蔵:アタッチメントさえ加えればパスタを作ったりソーセージを作ったり、野菜麺のようなものを作ったり。お米を挽いて米粉も作れるなど、活用法が幅広いのは“道具好き”にとっても楽しいでしょうね。

▲アタッチメントを交換すると、粉を挽いたりパスタを作ったりできる

奈津子:食材にこだわる人にもオススメです。ただ、アタッチメントの価格がもう少し下がるとうれしいです。

安蔵:確かに、本体価格7万3980円に加えて、ひき肉を作れる「フードグラインダー」は8880円、粉を挽ける「グラインミル」は1万9880円、6種類のパスタを作れる「パスタメーカー」は2万9880円と、なかなかの価格ですね。

奈津子:でも野菜がこれでもかというほどアレンジされてカットされていくさまは楽しいですし、これがあれば調理の幅が広がりそうです。試食したマカロニ(鴨肉のラズベリーソース和え)は絶品でした。

 

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【家電女優・奈津子×安蔵靖志の「最新家電」】

(取材・文/安蔵靖志 奈津子)

 

あんぞうやすし/IT・家電ジャーナリスト、家電製品総合アドバイザー

ビジネス・IT系出版社で編集記者を務めた後、フリーランスに。総合情報サイト「日経トレンディネット」、「NIKKEI STYLE」などで執筆中。近著は「予算10万円以内! 本気で原音を楽しむハイレゾオーディオ」(秀和システム)。KBCラジオを中心に全国6放送局でネットしているラジオ番組『キャイ〜ンの家電ソムリエ』にも出演中。

 

 

 

 

なつこ/女優・タレント

ドラマ、CMの出演多数。「家電アドバイザー」資格を取得し“家電女優”として雑誌、webメディアなど活動のフィールドを広げて活躍中。TOKYO FM「Skyrocket Company」レギュラー出演中(火曜18時〜)。instagramは 「natsuko_kaden」、Twitter「natsuko_twins」