「最悪」「失望」とハリルが怒り露わ 代表チーム酷評「監督をして、こんな試合初めて」

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ハイチ戦3-3ドローを受け、「様々な良くない現象が起こった」と怒り収まらず

 日本代表のバヒド・ハリルホジッチ監督は、10日の国際親善試合ハイチ戦の3-3ドローを受け、試合後の記者会見で「長年監督をしてきて、こんなに良くない試合は初めて」とチームのパフォーマンスを酷評。

 そして「私は私自身に怒りを感じている。監督が第一の責任者だからだ」と、自身に対しても矛先を向けて怒りの収まる様子がなかった。

 ハイチ戦は前半17分までに2点を先行。相手の立ち上がりが悪かったこともあるが、日本チームも全体に出足が良く、双方の良さと悪さが噛み合ったことで一気に得点差が開いた印象だった。しかし、その日本の良さは約20分間を過ぎた時点で霧散した。全体が間延びし、ハイチのスピードある攻撃を助けるような状況に陥ってしまい、後半にかけて逆転まで許した。最終的にMF香川真司(ドルトムント)のゴールで引き分けに持ち込んだものの、ハリル監督の言葉どおり「ワーストゲーム」という評価は免れないだろう。

 ハリル監督は、6日のニュージーランド戦から9人のスタメンを入れ替え、多くのこれまで出場機会が少なかった選手たちにチャンスを与えたゲームで陥った失態に、失望を露わにしている。

「多くのチャンスを作って2-0にしてから、選手たちの頭の中に何が起こったか、私には分からない。ゴールをしてから、全てが止まってしまった。今日は、これまでプレーしてこなかった選手にかなりのチャンスを与えた。選手たちも候補に入りたいだろうから、いろいろ見せてくれたと思うが、長年監督をしてきて、こんなに良くない試合は初めてだ。様々な良くない現象が起こった。このような試合の後に、ワールドカップの話をすると愚かだと思われる」

任命責任の自己批判も…「私自身に怒り」

 ハリル監督は、10日のハイチ戦から年内までに、主にJリーグでプレーする選手たちを注視したいということを明らかにしていた。来年3月には本大会へ向けたメンバーを固め始めることを明言している状況で、チャンスを与えた選手たちで組んだチームの機能不全に頭を抱えている。そして、自らの“任命責任”というべき部分で自己批判を行った。

「この2試合で約20人の選手を使った。この2試合ともビッグマッチは期待していなかった。ただこの2試合目に関しては、本当におかしいと思った。メンタル面での脆さが見えた。あまり出番がなかったとしても言い訳にはならない。もう少し違ったものを見せてほしかった。ディテールには入りたくないが、本当に最悪な試合をしてしまった。いろいろな意味で最悪だった。私は私自身に怒りを感じている。監督が第一の責任者だからだ」

 選手たちは口々に、前からプレスに行くのか、後ろで一度ブロックを作るのかの意思統一ができずに間延びしたことを反省点に挙げた。しかし、残り少ないチャンスとなったアピールの場で、ハリル監督の逆鱗に触れるパフォーマンスを見せてしまった選手たちにはさらなる厳しい声が飛んでいる。

6月発表のW杯23人「今日と全く違うかも」

「23人は(来年)6月に発表するが、そこまでにはいろいろなことが起こる。今回は新しい選手に変えた。いろいろな選手のクオリティーを見なければならなかった。ただチャンスを与えたら、もうちょっと違ったものを見せてほしかった。そこが失望しているところだ。なぜこんなにパニックになったのか。何をすべきか分からない状況だった。23人に絞るまでまだ時間がある。あるいは今日と全く違う23人になるかもしれない。今日のようなパフォーマンスを見せ続けたならば、ですが」

 ハリル監督はニュージーランド戦の前の時点で「チャンスを待っている選手は他にもいる」と、選手たちに発破をかけていた。しかし、その期待に選手たちが答えられたとは言い難い。この日、長い時間を与えられた選手たちにとって、ワールドカップへのメンバー入りに向けて重要なゲームだったが、指揮官の頭に残った印象は最悪だったようだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images