後半33分、3点目を入れられたGK東口(左から2人目)

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 ◇国際親善試合 日本3―3ハイチ(2017年10月10日 日産ス)

 サッカー日本代表はW杯出場を逃したハイチ代表と日産スタジアムで対戦し、3―3で引き分けた。倉田秋(28=G大阪)の2試合連続ゴールで先制し、国際Aマッチ初先発の杉本健勇(24=C大阪)が加点するなど新戦力がアピールしたが、その後、逆転を許し、終了間際に香川真司(28=ドルトムント)のゴールでかろうじて追いついた。日本は11月に欧州へ遠征して10日にブラジル、14日にベルギーとの親善試合に臨む。

 試合後のロッカールームにハリルホジッチ監督の怒声が響いた。「代表をなめるな!ここにいる多くの選手は(W杯には)呼ばない」。取材エリアに姿を見せていた長友、浅野らを呼び戻して全選手を集合させると約5分間、厳しい言葉を浴びせ続けた。監督会見では「就任して最悪の試合。怒りで説明ができない。皆の前で恥をさらしてしまった」。試合前日には自らサポーターの来場を呼び掛けていただけに「全て私の責任。心の底からサポーターに謝りたい」と平謝りした。

 ハイチはW杯ロシア大会北中米カリブ海4次予選で既に敗退。その後、監督が交代してメンバーも一新し、今回が新体制初の活動で全体練習は試合前日、前々日の2回しかしていなかった。日本も6日のニュージーランド戦から先発9人を入れ替えた“2軍”とはいえ、球際の戦いで完敗。後半8分の失点場面では杉本、小林がボールから目を離した隙を突かれて素早いセットプレーから崩されるなど経験不足も露呈。2点を先制した後、各選手が個人のアピールに走ったことも低調な内容の一因となった。

 指揮官は後半は井手口、大迫、香川、原口ら主力を次々と投入。新戦力テストを捨てて勝負に徹したが、逆に一時は勝ち越され、終了間際に同点に追いつくのが精いっぱいだった。「何人かの選手の精神的な弱さにがっかりしている。チャンスを与えたのだから、もう少し違うプレーを見せてほしかった。このような試合が続けば(W杯は)全部違う23人になるかもしれない」。辛らつな言葉を並べたが、昌子、槙野のセンターバックの出来が悪い中、植田の起用を見送るなど采配にも疑問は残った。

 約7万人収容の日産スタジアムで入場者数は4万7420人。日本代表の試合で満員にならなかったのは16年3月24日アフガニスタン戦以来で、試合終了を待たずに席を立つサポーターも目立った。11月にはブラジル、ベルギーとの2試合が待つ。指揮官は「ブラジルとやったら10失点する。我々の幻想が打ち砕かれるだろう」と危機感をあらわにした。現状を打破できなければ、世界トップ5との連戦でサンドバッグになりかねない。

≪現体制最多失点≫ 日本の国際Aマッチ3失点は14年10月14日の親善試合・ブラジル戦(○0―4)で4失点して以来37試合ぶり。ハリルジャパンでは2失点が過去に4試合あったが、通算31試合目で3失点は初めてだ。

≪あわや「59年ぶりの屈辱」≫ 前半2ゴールもハイチに3ゴールを許し、一時は2―3で逆転された。2点リードから一気に3点を奪われ逆転されたのは13年6月19日のコンフェデ杯・イタリア戦(○3―4)以来。この時は2―3から一度は追いつくも決勝ゴールを奪われた。仮に香川のゴールがなくてそのまま敗戦だったら、58年12月28日のマラヤ戦(2―0→○2―6)以来、59年ぶりの「2点リードからそのまま逆転負け」となっていた。