ハイチ戦は多くのチャンスを作り出したが、後半は終盤の1点にとどまった。(C) SOCCER DIGEST

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[キリンチャレンジカップ2017]日本 3-3 ハイチ/10月10日/日産スタジアム

 日本代表対ハイチ代表は、倉田の2試合連続ゴールと杉本の代表初ゴールで2点を先行したものの、リードを守り切れず一時は逆転を許してしまった。最終的には香川のゴールで引き分けに持ち込んだけど、誰が見てもひどい試合だったと思う。
 
 はっきり言って、相手には悪いけど、ハイチは点を獲るための絶好のスパーリングパートナーだったんだ。25分までの彼らの出来を見たら、まったくチームになっていなかったし、前半だけで4点、5点取らなければいけない相手だった。
 
 序盤の2ゴールで、日本は安心してしまったのかもしれないが、点を獲れる相手からきちっと点を獲り切るということができなければ、やはり手痛いしっぺ返しを食らってしまう。
 
 チャンスを逃しているうちに、相手も日本のスピードに慣れてきて、個の力で中央を突破して前半のうちに1点を返してきた。後半に入ると、ハイチは中盤まではボールを持たせてくれるけど、そこから先の守備が堅くなって、縦に速い攻撃を仕掛けられてはカウンターでピンチを作られるようになる。そして、相手FWのナゾンが果敢に放った2発のシュートによって試合をひっくり返されてしまった。
 
 最後は、日本もなんとしてでも点を獲らなければという姿勢を見せたからこそ奪えたゴールだったと思うけど、最後の最後に点を獲れるのなら、なんでもっと早い時間帯に獲れなかったんだと言いたい。繰り返すけど、前半のうちに4、5点は獲れるような展開だったのに、隙を突かれて逆転されるなんてありえない話だ。
 
 これは、ピッチ上にゲームメイクをする人がいなかったことを証明する展開だよ。もちろん、日本のチームにはサボっている奴なんか見当たらなかった。本当に豊富な運動量でよく走っていたと思うよ。でも、その一生懸命さがゴールという実になっていないんだ。
 
 ピッチの上では監督は指示を出せない。だから、誰かがリーダーシップをとって、「なんとしてでもこの時間帯に点を獲るんだ」「相手はカウンターを狙ってきているから、絶対にここで止めるんだ」と、チームの舵取りをしなければいけない。
 
 そういう役割を今までは長谷部や吉田がやってきたのかもしれないけど、そこはピッチにいる選手たちが自覚して、自分たちでゲームを動かしていく必要性があったと思うよ。
 
 日本がゴールを奪った形を見ると、倉田のゴールはサイドから入ってきたクロスを頭で合わせたもので、2点目の杉本のゴールはカウンターから抜け出した倉田のシュートのこぼれ球にしっかり詰めて押し込んだもの。やっていることはすごくシンプルなプレーばかりだ。これで2点を獲れたんだから、日本としてはこういうプレーを繰り返していけば良かったんだ。
 
 それができないというのは、日本の攻撃がまだまだ点を獲るための形になっていないということ。前線が大迫や杉本など、顔ぶれが変われば特徴も変わるし、やり方も変わるだろうけど、もっともっとそこを突き詰めて、ハイチのような相手から確実に点が獲れるようでなければ、ワールドカップに出場してくるような強豪国から“崩して点を獲る”なんてことはできないだろうね。
 
 それから、前回のコラムでも言わせてもらったんだけど、やっぱりシュートが下手なんだ。せっかくゴール前まで攻め込んでいるのに、そこまでのつなぎの巧さやゴール前を突破してきた苦労が、何も形にならない。
 
 日本はボール扱いこそ巧いけど、結局それだけでは試合には勝てないということだ。相手は要所で個の力を発揮してゴールを奪い取っていった。日本もワールドカップ本番までに攻撃の形をきっちりと作っていくのと同時に、シュートの精度を上げていく努力を怠ってはいけないよ。
 
 次の11月の欧州遠征ではブラジル、ベルギーと対戦するわけだけど、今度は圧倒的に攻める側から、攻められる側に立場が入れ替わることになるのだろう。いかにして7、8人の選手で守り切って、2人、3人の選手で点を獲り切れるか。この日のハイチが見せたようなしたたかな試合運びが必要になるだろうね。
 
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